ナビゲーション機器
■ラリーモンゴリアを走るマシンのナビゲーション機器は、主催者指定の大型のGPS、イリトラック、衛星電話を搭載しないため、かなり軽快なものです。マップホルダーを中心に、ガーミンなどの携帯型GPS、そしてICOなどのトリップメーター、以上これだけ。TBIや北海道4デイズでもほほ同じですね。国内の場合にはGPSも不要ですが。
■マップホルダーとICO、GPS、これらを充分に振動に耐えるように取り付けるのも難しくありません。KTMならば、純正部品でマップホルダーのマウントも販売されていますから、より簡便です。しかし、だからといってこうした機器が納まるところに納まればそれで良いのかというと、ただそれだけでもありません。第一に考えなければならないのは、視認性です。遠くを見通すライディングのための視線と、ナビゲーション機器の情報を読み取るための視線が、極端に大きくならないように、重量バランスや強度との兼ね合いでのベストを見つけなければなりません。これは、国内のラリーでも同じことで、あまりマップホルダーが下のほうにつきすぎると、安全運転という観点からも問題になりかねませんし、もちろん少ないとはいえSS中でのナビゲーションにも大いに影響します。
■簡単に言うと、なるべく高い位置にマウントしたいわけですが、車体の中心から離れれば離れるほど、強度も難しくなるし、ハンドリングへの影響も増えていきます。特に国内のラリーの場合には、ツイスティなステージが多くなるわけですから、コンパクトにまとめる方向になります。そのなかで、できるだけ迅速に簡単に情報を読み取れるように工夫するわけです。
■ラリーモンゴリアを走るマシンでも、池町佳生のような熟練のトップライダーのナビ機器を見ると、マップの距離表示の位置と、ICOの距離表示の位置が、きちんと同一線上にあるかどうか。GPSの配置、スイッチの取り付け方など、わずかな違いを大事にしていることがわかります。どんな位置でも、とりあえず普通に装着されていれば、ナビ機器の読み取りは一見不自由なくできるものですが、ちょっとした見やすさの違い、情報を読み取り解釈するまでの時間の差が、長いラリーを通じてみると、結局は大きな差になって表れてきます。ひとつのコマ図を読み取る時間の差に、コンマ1秒の差があれば、その積算が確実にトータルタイムに影響するし、それだけではなく大きなミスをおかす原因もそうしたところから生まれきます。このあたりは、国内のラリーでも同じだろうと思います。
ビッグタンクマガジン
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