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レゴラリータ!! その2

■この「レゴラリータ!!」というサブタイトルの2回目。前回はそのレゴラリータの本場であるヨーロッパ製の、今はエンデューロマシンと呼ばれるバイクの魅力のようなことを書きました。ぼくが初めて出会ったエンデューロバイクというのが、KTM250GS。そう、BMW-GSと同じくゲレンデシュポルテの名を持つバイクで、1985年モデルでした。ちなみに1983〜1984年モデルは、ボトムリンク式シングルショックのリアサスペションではありましたが、エンジンは空冷。日本では非常にレアな存在で、1985年からが本格的な日本市場デビュー、確かそんな感じだったと思います。この1985年KTM250GSというのは、モトクロスGPでハインツ・キニガドナーがチャンピオンを獲得したモデルのエンデューロバージョンということも出来ます。エンジンは水冷。キックアームは左側についていました。ちなみに、ぼくが初めてマツモトさんに出会った時、マツモトさんは1986年式のKTM125GSに乗っていたように記憶しています。

■左キックというのは、ぼくにとって未だ知らないヨーロッパエンデューロというもののイメージ、その象徴的なものだった。というよりも、まだまだ北海道でも珍しかった、KTM、ハスクバーナというバイクは、ぼくにとって(あるいは多くのライダーにとってもそうだったのかもしれませんが)、まさしく「エンデューロ」そのものだったような気がします。左キックのバイクは今は少ないですね。当時、KTMは125も250も、500ccも全部左キックでした。現在はKTMであれば4サイクルのLC4ユニット、ハスクバーナの4サイクルTEシリーズ、フサベルのエンジンが左キックを残しています。この左キックというのは、先入観からか敬遠されがちですが、実はとても理にかなったもので、坂道の途中などで跨ったままキックするのが難しい場所での始動、また小柄なライダーにとっては、マシンから降りた状態でのキックに力が入りやすいものなんです。一度慣れるとヤメラレナイのが左キックなんですが、ただし、またがったままだとまさしく左足でキックしなければならず、とっさの再始動という点では、右キックにゆずる部分があります。最近のエンデューロマシンから左キックが消えつつある理由というところで、そろそろ得意のコジツケがはじまります。

■左キックの老舗、KTMが右キックを採用したのは、1990年モデルからですね。KTM250(2サイクル)です。ISDEでは次第にスペシャルテストでのタイムのみが勝敗を決するスタイルになりつつあり、ヨーロッパ選手権からより先鋭化した世界選手権が始まったばかりの時期。エンデューロの世界に、日本製のモトクロスマシンをモディファイしたマシンが台頭を始めた時期にも符号します。エンデューロマシンには、タフなカントリーでこそ威力を発揮する粘り強さや、頑丈さ、融通性の高さよりも、どちらかといえば瞬発力のようなものが求められはじめたといえそうです。そうしたなかで左キックも、あえて何かを犠牲にして(例えば市場性とかね)残されなければならないものではなくなったのでしょう。しかし、現在も4サイクルマシン(2サイクルよりはキックにチカラが必要な)に、左キックに残されているということは、背が高いうえに、悪路での再始動を想定するエンデューロマシンには、本当は左キックの方がいいのだ、ということの何よりの証拠ではないでしょうか。一度、左キックに慣れたぼくは、もう何年も前から右キックの日本製マシンを愛用しているくせに時々と「もう!! なんでコイツは左キックじゃないんだ!!」なんて悪態をつきたくなるシーンが年に何度かあったりするのです。

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