ファラオラリーこぼれ話 NO.1 「ビールのこと」
■9月末から1週間の日程で開催されたファラオラリーに行って来ました。1996年までは、アビジャン~ニースの主催、またBMWファクトリーライダーとしても活躍したフヌイユよって主催され、パリダカの前哨戦的なイベントとして有名なラリーでした。現在はパリダカの前哨戦としての役割はUAEデザートチャレンジにとってかわられていますが、同じFIMクロスカントリーラリー世界選手権の一戦として、現在はジャッキー・イクスによって主催されているものです。もう少しその経過に触れると、ジャッキー・イクスの主催になってからはしばらくラリーオブエジプトという名前で開催されていましたが、2003年にめでたく商標権の譲渡が完了し、伝統ある「ファラオラリー」の呼称を受け継ぐことになったということです。過去から多くの日本人選手が参加してきましたが、その中には、先輩ジャーナリストで、現在はトライアルを専門として「自然山通信」を出版しているニシマキさんもいます。ぼくは今回、日本事務局であるJRM=日本レーシングマネージメントのコーディネイトでエントリー。KTM525EXC-Rのラリー仕様で走ってきました。サハラ東端にあるリビア砂漠の砂丘をメインのステージ中心としたラリーは素晴らしいものでした。ラリーのもようはビッグタンクマガジン、フリーライドマガジンで詳しくレポートしますので、ぜひ手にとってご覧ください。このコーナーでは、タイトルにある通り、何週間かに渡って、ラリー前後のこともふくめたこぼれ話を書いていきたいと思います。
■ええー、前置きが長かったですが、ビールの話です。エジプトは90%以上の国民がイスラム教徒という国ですから、ビールが自由に飲めるかどうか心配していたのですが、行ってみるとあまりがちがちではないようで、なかでも外国人が多いホテルでは、普通に飲まれていたのでちょっと安心でした。ただし、ワイン、ウイスキー等はエジプト産のものはあまり美味しいと感じるものに巡りあえませんでした。そのことを少しこぼすと、友人に「もともと酒を飲まないアラブの国でそんなことを望んじゃいけないよ」とたしなめられました。もっともです。
■ビールが飲めるということで、さっそくホテルで注文したのですが、出てきたビールにびっくり! エジプトでもっともポピュラーな(というよりも他の銘柄を見なかった)ステラというビールだったのですが、ビール特有のあの「あわあわ」がまったくなくて、飲むとやっぱり妙な味がする。瞬間、「ああ、この先2週間もこの味とつきあうのか…」暗澹とした気持ちになってしまいました。「このビールまずい…」と言いかけて、たしなめられた友人の手前、口をつぐんでしばし。しかし待てよ、そんなはずはないよな。エジプトのビールがこんなに不味いんだったら、なんらか話題として今までに耳にしているはず。ちょうど歩いてきたウエイターさんに「すみません、このビール、ガスが入っていないんだけど…」と言ってみます。すると、ちょっと首をかしげながらビールとグラスを取り上げ厨房へ…。しばらくすると、めでたしめでたし、ちゃんと泡のあるビールが届けられたという次第。本来のステラビールの味は、暑い国によくある薄味のすぎるものではなく、ちょっとコクのある素晴らしいものでした。エジプトで初めて口にしたビールに、カウンターパンチをくらった話です。
●写真見てもわかるとおり、あわがまったくなかった! でも誤解無きよう、これはたまたまの不良品で、本当のエジプトビールは美味しいですよ!!!
ビッグタンクマガジン
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