大雪原の耐久レース、2005年
北の島には今年も雪上レースの季節がやってきました。十勝平野の真っ只中で冬のこの時期だけ、このレースのためだけに開かれる大雪原の雄大なコース。朝の気温は氷点下20℃を下回るという厳しい寒さの中で3時間の耐久レースをやります。ぼくたちは、今年で5年連続出場。冬の間にまなってしまいがちな身体に、文字通りカツを入れて、このレースに臨みます。結構ホンキです。
とはいえ、典型的な草レース。マシンもスノータイヤを履いたスーパーカブ(郵便配達の払い下げ品ですね)が主流の、あくまでも気軽で手軽なものです。でも、ぼくはいつも思うのですが、いわゆるこうした草レースと、本格的といわれるチャンピオンシップのようなレースに、どんな本質的な隔たりがあるのか。いったんスタートしてしまえば、勝つか負けるか。速ければ良い成績につながるし、遅ければ順位はそれなり。モータースポーツにつきものの危険の度合いだって、草レースだから、選手権だからとかわるわけではない。ルールを守らなければならないということ、公平に運営されなければならないということも、レースの大小で違ってくるわけではない。正々堂々と戦ってこそ喜びがあり、公平に運営されるイベントには自然に人が集まる。
ぼくたちが楽しみにしている雪上レースは、1周まわってくるごとにマシンから下りて、自分で周回数を「正」の字で書き込んでいくセルフチェック方式。3時間走って、この正の字の数がいちばん多いライダーが勝つという、これ以上はないぞ、というぐらい簡素な運営。でも、それでモータースポーツの根本原理は充分に成り立っているし、スポーツとしての公平性はパーフェクトに守られています。十勝平野の音更町で開催されている大雪原の草レース。回を追うごとに参加者数を増やし、昨年は70名以上のエントリーかありました。人気のひみつは、ほかでもない、今書いてきたようなところにあるんじゃないかと思っています。
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