エコロジータイヤ
■写真は、ビッグタンクマガジンの9月号に掲載された佐藤敏光(トシミツさんは今、フランスのモトクロスオブネイションズに行ってますね!)撮影の古いISDEからのものです。わかりやすく白黒に加工していますが、読者のなかには気がついていた人がいるかもしれません。このKTMのリアタイヤはちょっ変っているな、と・・・。
■最近はFIMタイヤと呼ばれることが多いですが、かつてはエコロジータイヤと呼ばれていました。FIM規格に合わせて製造されるエンデューロタイヤのことで、現在は、ブロックハイトが13mm以下、ごく当たり前のスピードレンジ・耐荷重指数の規定だけが残り、公認制度もなくなりました。しかし当初は、トレッドのネガティブ比までが決められていて、現在のものよりずっと路面に対するインパクトが小さいものでした。この写真のタイヤが、ネガティブ比規制のある時代のものです。それまでは、なんでもありで、モトクロスタイヤが普通に使われていたのです。
■イギリスでは、ある時期までエンデューロタイヤ規制がもっと厳しくて、リアタイヤには、いわゆるトライアルタイヤしか使用できませんでした。エンデューロ発祥の地であり、エンデューロ強国のひとつだったイギリスが、一時的に不振に陥ったのは、そのことも原因だったのではないかと思っています。
■いずれにしろダートバイクによるトレイルの破壊が、社会問題としてクローズアップされるようになってきたことを受けての動きでした。
■今では、日本のメーカーも製造するようになっているエコロジータイヤですが、日本で本格的にこれが紹介されるようになったのは1986年SSERの第2回大会からのことのようです。その後、トシ・ニシヤマ氏を中心としたメンバーによって主催される北海道のエンデューロにも、エコロジータイヤ規定が導入されようになりましたが、当時の日本では、この種のタイヤの存在はほとんど知られておらず、また欧米からの輸入品が高かった時代のことでもあり、理解されにくかったのではないかとも思います。しかし、みなさんもご存知の通り、今ではごく普通のこととして認識されるようになっています。
ビッグタンクマガジン
http://www.bigtank.cc
|