■前回は欧州のエンデューロで活躍した(過去形…)XRのハナシをしましたが、某著名なXRライダーによると、市販CRF(ホンダの新しい4サイクルMXマシン)がデビューしようかという現在「XRライダーも絶滅危惧種としてレッドデータブック載せるべきだ!!」とのことでした。RED RIDERが、レッドデータブックとは気の利いたシャレです??
■で、そのXRなんですが、以前はよく、あれはエンデューロバイクであるとか、いやそうではないとかということが話題になったりもしました。XRの出自をさかのぼっていくとデザートレーシングがそのベースにあり、またアメリカのオープンエリアでの楽しみ方というものがその背景にあるようで、特にエンデューロのような使われ方を想定したものではなかったようです。結果的に、現代のエンデューロにも十分通用するキャラクターを持ち合わせていたということは、XRの類まれなる融通性の証であるということなのでしょう。ですが、そもそもエンデューロバイクってなんなのでしょう? 結局は乗り手がそれをエンデューロ的ライディングの用に供するか否かということが、エンデューロバイクであるかどうかということを決定づけるわけで、エンデューロバイクというカテゴリーは概念としては存在しえても、明確なカタチとしては存在しないということになります。それは、トライアルマシンでもロードレーサーでも同様といえます。
■だから、実はXRがエンデューロバイクであるかないか、などという問いはナンセンス。すべては乗り手次第ということで、エンデューロに出場すればエンデューロマシンに、ラリーに出場すればラリーマシンに、ロードレースに出場すればロードレーサーにもなるし、モトクロスにだってXRを使う人はいっぱいいますから、そこではXRもモトクロスマシンとして認識されるわけです。そうした融通性の高さは、すなわち機械としての品質の高さと、あえてどこかに特化したキャラクターを持たせようとしてないプレーンさによってもたらされるものなのだと思うのですが、それを例えるなら、白い讃岐ウドンようだ、と、ぼくなど思ってしまいます。
■ぼくもXRの乗り味は大好きで、またその機械としての完成度にも信頼を寄せていて、250、600、そしてしばらくはメインのマシンにしようと思って購入したXR400Rに現代的マシンのライディングフィールまでを期待していたのですが、一歩遅かったようで、各社からニュージェネレーションともいうべき4サイクル250ccが出はじめたイマ、エンデューロ的ライディングのためには、ちょっと存在理由が希薄になっちゃったかな、という感じです。でも、今年のラリーレイドモンゴル出場にあたっては、「コイツでイクゼ!!」ってことで迷わずXRを選ぶことができる。モンゴルでの再会まであと2週間です。
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