北海道の道と野生動物
■北海道は決して野生動物の楽園というわけではないのですが、それでも道路を走っていると、たくさんの野生動物に出会うことになります。冬の猟期になると山奥に姿を隠してしまうエゾシカたちも、夏には国道の脇にも群れて出てきます。ダート、林道となれば、エゾシカと併走するハメになったり、こちらもびっくりしますが、シカにしてみればもう生きた心地がしないほど驚いているに違いありません。エゾシカのほか、キタキツネ、タヌキ、ウサギ、シマリス、エゾリスなどが、道を往来しています。林道を走っていて、突然目の前に飛び立つ黒い影は、日向ボッコしているキジバトたちです。
■猛スピードで走る自動車との衝突は、野生動物たちにとって実に不幸な出会いです。エゾシカの轢死体は、特にこの時期の道東では珍しいものではありません。エゾシカは小さな動物ではありませんから、自動車も無事では済まず、大抵はラジエターとフロントガラスを壊し、走行不能、悪くすれば廃車。もちろん、人間も怪我をすることになります。バイクなら、本当にタダではすまない惨事となります。
■夜、暗い道を走っていると、ヘッドライトの中にタヌキやウサギが飛び出してします。彼らはヘッドライトの光軸から出ることができないので、そのまま面白がって追いかけて走っていると、ついには轢き殺してしまうことになりますから、そういう遊びは控えたほうが良いでしょう。エゾシカもそうですが、逃げる時はランダムなラインを描いて走ることをおぼえておいてください。
■キタキツネにエサを与えることも避けてください。観光地の国道脇で乞食のように生きる無残なキタキツネを増やすことになります。スナック菓子等を与えられたキタキツネはやがて消化不良で死んでいきます。肝臓に重大な障害を起すエキノコックス原虫の宿主でもあるキタキツネに接触することは、とても危険なことでもあります。
■7月、ツールドニッポンを走るライダーたちは、北海道で本当にたくさんの野生動物に出会うことでしょう。次回、できれば出会いたくない、親爺のハナシ。ヒグマのことを、面白く書いてみたいと思います。
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