草レース
日曜日に近所のモトクロスコースで開かれた草モトクロスレースに参加しました。当日の朝に\3000の参加料を払って「怪我をしても自分の責任です」という書類に署名すればOK!
ゼッケンは?
自分のバイクにたまたまついている番号があれば、それがそのままこのレースのライディングナンバーになる。手軽で、気軽。まさに草大会です。
スーパークロスのビデオで見たことがあるスターティングマシンに、自分のバイクのフロントタイヤを合わせます。3分前の合図、30秒前の合図。緊張します。ゲートが落ちる「がちゃん」という音は、聞こえませんでした。エキゾーストノートがそれをかき消して、ぼくたちは1コーナーへと突進します。すごいスピード(と感じる)で、先を争う。前を行くバイクが水溜りを踏んで、バシャっ!
と泥が跳ねてきて、ゴーグルも顔も一瞬で泥だらけ。ロールオフをひっぱる余裕がないので、しばらくはわずかな視界に耐えて、ライバルに負けじとアクセルを開けます。
ジャンプ、ギャップ、バンク。モトクロスは、バイクを操るというより、ぼくにとってはバイクから落ちないようにするのに精一杯。4周も走るともうヘトヘトになって、残りの5周ぐらいは、徐々にペースが落ちてきます。それでもなんとか、周回遅れにならないようにビリにならないようにがんばります。コース脇では友人たちも見ています。こうなると速い遅いということよりも、最後までがんばれるかどうかが自分にとっての勝負になります。オトコの意地というヤツかな?
終ってみたら、順位はビリっけつでした。
表彰式では、草大会ながらも各クラスの入賞者にシャンパン(といってもアルコールが入っていないクリスマスの子供用です)が手渡され、シャンパンファイトが演じられました。シャンパンを抜いたことがないキッズクラスの子供たちは、なかなか抜けないコルクにとまどいながらも、うれしそうにビンを振りました。マスターズクラスのおじさんたちはさすがに手馴れたもので、きれいに白い泡の弧を吹き上げます。最下位だったぼくは、ただそれを見ているだけでした。
小さな草大会ですから、表彰式が終っても、まだ午後1時ごろ。レースが終ってからはみんなで、モトクロスコースでの走りを楽しみました。夕方まで走っていると、傾いた夕陽が逆光になって、ジャンプやギャップが見えにくくなってきます。それでも、仲間に負けまいと、がんばってアクセルを開ける自分…。こんなふうに夕陽がまぶしくなるまで遊ぶとき、ぼくはいつも、子供の頃に、遅くまで遊びすぎた時のことを思い出します。
友達と別れ、薄暗くなりはじめた路地を駆け足で家に向かっている時の、ちょっと不安な気持ちはどうしてだったのでしょうか。家には、夕ご飯をつくっている母親のうしろ姿が待っているはずでした。草モトクロス大会が思い出させてくれた、子供の頃の気持ちは、どこか胸をしめつけるな味がしました。
ビッグタンクマガジン
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