これもひとつのお国柄かな
北の島ではまだまだ雪がいっぱいで「春まだ遠し」といったところ。暖かい地方の人にはピンとこないと思いますが、2月下旬。北海道は一番寒い季節。雪上レースは、まあ特別。エンデューロタイヤのブロックが土に食い込む感触を楽しめるのは、早くて4月上旬です。
そんなわけですから、バイク趣味といっても来るべきシーズンに備えてのマシン整備か、あるいはビデオ鑑賞。この季節、やはりパリダカ、でしょうか。たまたま、日本レーシングマネージメントの人達が、最新版2005年パリダカのビデオを貸してくれたので、ランチタイムの楽しみにちょっとずつ見ています。
でも、このビデオ今まで見たことがあるものとはちょっと雰囲気が違う。アメリカで一般放映(ケーブルテレビでしょうね)されたもので、ずいぶん長くて5時間ほどもあるとか…(まだちょっとしか見てないしね)。なんというか、これはBAJA1000のビデオかな、と思うような軽く、明るいノリ。ロビー・ゴードンはじめとしたアメリカ人を中心とした構成なのですが、インタビュアーのノリもDJ風だし、ステッペンウルフをBGMにした転倒、クラッシュシーン続出。「地獄の5000マイル」なんていうタイトルだけど、なんというかスーパークロスがそのままヨーロッパ、アフリカに引越ししたような空気感なんですねー。
日本製だとどうかというと、これまで見たものが大体そうであったように、きっとドラマ仕立てで、ちょっと感動的なドキュメント調になるんじゃないでしょうか。それもまた引き込まれるものがあるわけですが、反面、作りすぎてしまいがちになることで、本当にそこにあるはずのたくさんのものが、こぼれおちているんじゃないか、という気になったりすることも多くあります。
こうした違いというのは、単に「鑑賞する者」の趣向にとどまらないで、実際にラリーというものをどうとらえるか、どう取り組むかというという、スタンスや気構えの違いというものにつながっているような気がします。かたや、そこにあるものをあるものとしてとらえて、自在に処理していくという形。かたや「こうだろう」というあらかじめ用意した枠組みのなかに入れて処理していくという形。それがもしかするとラリーというものに対峙したときの、国民性、あるいはお国柄というものなんじゃないかという気がしました。ビデオひとつ観ただけで、ちょっとオオゲサですけどね。
このブラウン管の中に、まだ元気な姿のファブリツィオ・メオーニに姿を見つけました。アメリカのテレビ番組のインタビュアーの軽いノリの質問に、どうも得意とはいえないらしい英語を、それでも一生懸命ひねくりだして、その日の出来事を伝えようとしているメオーニの姿。疲れているのに、自国語以外でどしとじ聞いてくる相手に、親切にこたえる姿。みんなに慕われていたという、その人の人間性を、悲しくも良く伝えていたように思いました。
ビッグタンクマガジン
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