北の島
■第一回四国ヒストリックマシン・エンデューロの開催告知に寄せて、ぼくもなにかヒトコト書きなくなったという次第。あまりたくさんではないのだろうけど、どんなバイクが集まってくるかな、と楽しみですね。
■もしかすると、山田さんも同じバイクに乗っていたんじゃないかと、と思うのですが、ぼくにとっての初めての「エンデューロマシン」は、KTMでした。いや、そういう人は多いと思いますが、ぼくのはちなみに1985年式。ハインツ・キニガドナーがKTMで2年連続世界チャンピオンを獲得したのが1984年、1985年ですから、KTMはこのころひとつのピーク期にあったといえるのでしょう。ぼくが乗っていたのは、そのエンデューロバージョンであるKTM250GS、今にして思うと、おそろしくデカく、でもちょっとかっこいい。持ってるだけでカッコ良かったし、満足だった。今ではKTMもオレンジ色になってメジャーなブランドになりましたが、当時はちょっとスノッブなものを匂わせる存在だったかもしれません。
■キニガドナーとKTMが世界チャンピオンを獲得した84~85年。パリダカではガストン・ライエとBMWが連続優勝を果たしています。ふーん。不思議な運命を感じさせる符合。キニガドナーは、今はKTMのラリーチームを率いる立場にあり、一方ガストン・ライエはモトクロスチームをオーガナイズするようになっている(それはライフワークだということも聞きました)。二人のそんな生き方にヨーロッパのモーターサイクル文化の厚みを感じてしまうわけですが、ぼくが面白いな、と思うのは、そのころのKTMも、またBMWも、ともにそのトロフィ(記念)モデルにGSという名を与えているということです。荒野を目指すバイク乗りたちの心を揺り動かす響きが、そのGSという(この場合商品名)ネーミングにあるのだな、ということに、またまた「ふーん」と思うわけです。
■写真は、東欧のライダーたちに愛されたMZのISDT(インターナショナルシックスデイズトライアル=ISDEは1970年代までこの名称でした)マシン。かつて6日間を走るライダーにとってもっとも大切なスキルは、どんな難コースでもマシンを壊さないで走り抜けることだった、昔からのエンデューロを知る人はいいます。今は、どんなことをしたってなかなか壊れないバイクばかり「バイクが壊れてくれればリタイアできるのに」と嘆くヤワなライダーがいるほど。時代は変わったんですね。
■前述の1985年式KTMですが、BIGTANKマガジンをもしお持ちでしたら、1月号の佐藤敏光エッセイのページをごらんください。5人ならんでいるライダーたち、右側の3人が跨ってる、3台のマシンが、その85年式じゃないかと思います。ちょうど1985年の第60回スペイン大会の写真。85年式は、84年のISDEにはデビューしているはずなので…
ビッグタンクマガジン
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