<タイヤのハナシ>
またまた11th 日石三菱ツールド・ブルーアイランドからの話です。とにかく、2000kmもの距離を連続して走る、しかも1日2本のSSを含めた競技として走るのは初めてで、マシンについてはいろいろと悩んだのですが、なかでもタイヤについては本当に悩みました。エンデューロの場合には毎日タイヤ交換をするのが普通なので、それほどロングライフである必要はないし、ツーリングであれば速さにつながるグリップ力というものがあまり必要ないけど、TBIの場合にはその両方がきちんと兼ね備えられていなければならない。どうしたものか、と悩んだ末にはじき出した結論が、ノーマルライクなトレイルタイヤで行ってみよう!! ということでした。昔々のことですが、4サイクル250ccのバイクでツーリングをしていたとき、平気で4000kmぐらいは走れた記憶もあったからです。7日間という競技中にタイヤ交換という作業を省略することができれば、ずいぶんラクができるだろう、そして、舗装路も多いリエゾンを神経質な扱いが必要なエンデューロタイヤで走るのも疲れるし危険ですらあると思ったわけです。が、その作戦はミゴトに失敗でした。SSではオソイ、摩耗もハヤイ、これではお話になりません…。
<四国の山はとにかく峻険だった>
前後タイヤは、四国の峻険な山道のアップダウンに悲鳴をあげ、3日目の夜にはボーズに近い状態。これではどうしようもない、ということで他のライダーが外したタイヤをもらい、まずリアタイヤを交換。最終日までには前後タイヤがちゃんとエンデューロタイヤになっていました。ごく普通の使用状況であれば、やはり1000kmや2000kmは寿命があるはずのトレイルタイヤが、TBIでは全然ダメ。アップダウンが激しく、タイトなターンが連続するリエゾンに加え、短いとはいえ全開走行となるSSの繰り返しが、想像以上にタイヤに負担を与えるのでしょう。もし、TBIを無交換で走りきり、しかも最後のSSまで必要なだけの十分なグリップ力を得られるタイヤがあったとしたら、モーターサイクル用のタイヤとしてひとつの頂点といえる製品になるでしょう。そのうちTBIからR&Dされた
"BRIGESTONE T.B.I."なんてタイヤが出たら面白いのにね。
<おすすめのタイヤチョイス> もちろん、何度もTBIを走っているライダーに言うことなどなにもありませんが、すべてのSSできちんと勝負に行きたいヒトは、やはり最低2日間で1本のリアタイヤ交換(できれば1日目の終了時に回転方向を逆転させたい)。3日目あたりでフロントも交換したいということでブリヂストンやミシュラン、メッツラーなどのエンデューロ用タイヤをチョイスしたいところ。なんとか7日間を無交換で行こう、というモノグサなヒトは、ミシュランT63か、ピレリのMT21が良いという声を多く聞きました。MT21はXR600とかの中排気量車ではロングライフでありながら十分な戦闘力もある(マッチングがいいんですね)ので、試してみたらいいかも。それにしても、条件によって走行が危険になるほど摩耗することを考えて、スペアの用意は必須!! 今年のTBIではイケマチ君がタイヤバーストで難儀してましたよ。BMW-GSとか、AFRICA象のことはよく分からないので、マツモトさんに聞いて下さいね。あと、ムースは熱問題が心配なので充分にテストしてから使ったほうがいいと思いますよ…。
<キャプション> リム打ちでパンク。かと思ったらサイドウォールまで裂けてしまって号泣する池町佳生選手。それを囲んで喜ぶ細野孝雄選手たち。
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