挑戦的存在
■アプリリアのVツインオフロードマシンは、2004年からスーパーモト世界選手権に登場、2005年にはエンデューロ世界選手権、そして6日間エンデューロにもデビュー。スーパーモト世界選手権では2006年に早くもチャンピオンを獲得、エンデューロでもイタリアのベテラン、ステェファノ・パッセリ、そしてユハ・サルミネンに並んで天才と称されるステェファン・メリマンのライディングで上位に食い込む活躍を見せています。
■Vツインという選択は、オフロードコンペティションの世界では、常識外れです。単気筒に比較してどうしても大きく、重くなります。質量そのものももちろんですが、大きくなるということはマシン全体を大きく重くするということにつながり、なかでも高重心が大きなデメリットになります。反面、ハイパワーが期待できるわけですが、エンデューロでも、スーパーモトのレースでも同様ですが、問題は、そのパワーが人間によって有効に使われるかどうかということが問題になります。現時点では、モトクロスにおいてさえ、450ccあるいはそれ以上の排気量は(単気筒のパワーであっても)、ライダーの扱える範囲を超えているのではないかという見方が一般的で、現にFIMでも、モトクロスにおけるトップカテゴリーの排気量クラスを、現状の450ccから350cc程度に引き下げようという動きが具体的なものになっています。
■そんな流れの中でのVツイン。もはや存在そのものが挑戦的です。ぼくは、このマシンに大いなる魅力を感じています。このマシンを駆ることは、新しい技術に挑戦する、このマシンの開発プロジェクトチームと、その情熱を共有することに他ならないと思いました。今、世の中にそんな風に思えるマシンは数多くありません。アプリリアオフロードVツインは、その中のひとつです。イタリアには、やはりtmレーシングがあり、また今年はインジェクションの新型車をデビューさせたHusqvarnaもありますが、どこか共通するパッションを感じさせます。今夜はイタリア料理屋を予約したくなりました。
チームレアルエキップアプリリアのSXV550 VDB Reprica (美浜サーキット)
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