ブログ
■インターネットが普及して、情報分野の世界はずいぶん大きく変化しました。なかでもブログという情報発信の仕組みは、その手軽さから、単にウェブサイトの閲覧、メールのやりとりに終始していた大多数のユーザーに、広く情報発信の機会を提供しています。プログというの仕組みには「トラックバック」だとか「コメント」とかいういろいろな機能があり、情報発信者と受け手とに双方向性があったりしますが、その利用のされ方は要するに、簡単に開設・更新できるホームページ(掲示板付の)のようです。携帯電話でも閲覧・更新可能というところが、時代性にもピタリときたという感じでしょうか。
■ブログの登場に、やや恐々としなければならないのは、実力のない既存メディアです。テレビも、新聞も、雑誌も、ブログのリアルタイム性や、多様でユニークな(時々いいかげんで無責任な)主観的意見のパワーにたじたじといった感。いかに客観性・中立性・正確性の高い情報源としての質を向上させることができるかどうか。それが既存メディアの生き残りの道だ、というのはテレビの受け売りですが、まったくその通りだと思います。2輪雑誌もある側面では大きな変化を求められるに違いありません。
■ブログの意見は、書き手にさまざまな制約がない分、率直で力強いものが多く、とても勉強になることが多いですね。ダートバイク関連のブログを見ているだけでも、なかなかの書き手が多く「こんな人がいたんだなぁ」と感心したり。ですが、そのユニークな意見の発信元であるブログは、独立してはそれほど有益な情報源とはいえないかもしれません。ブログの閲覧者は大抵、短時間でざっとたくさんのブログを巡回し、日々のニュースソースとして消化していきます。その行為は、例えば新聞をばっと広げて、自分に興味のある見出しを拾い読みし、時々、熟読すべきコラムをみつけたり、また次の記事への関連性を感じ取ったり…。つまりブログというのは、その仕組みにトラックバックというものがあるように、たくさんあってはじめてひとつひとつにも意味が出てくるものではないか、と思うわけです。
■2輪雑誌に深く関わっているぼくは、そんなふうに成長していくブログとは別に、既存スタイルの紙媒体が、どんな独自性を生み出していけるかということを考えざるを得ません。みなさんにとって、インターネットとかブログというのはどんな存在でしょうか。また雑誌には、なにを求めるのでしょうか。いや、問うているわけではないんですが。先ほどの受け売りのテレビではこうも言っていました。「この先どうなるかは誰にもわかっていない」。メディアの変革は、まだまだ始まったばかりということでしょうか。
ビッグタンクマガジン
http://www.bigtank.cc |