■インターナショナルシックスデイズエンデューロのチェコ大会のためにヨーロッパに行ったぼくたちは、ミュンヘンのインターモトというモーターショーに立ち寄りました。あらかじめ少し早めの日程で動いていたということでもあるのですが「最大」といわれるモーターサイクルのトレーディングショーの雰囲気を肌で感じたい、という思いがそうさせたわけです。実際、規模の大きさはハンパじゃなくて、日本で開催されるものの規模とは比較にならないものでした。(だからどうだということでもないのですが…)
■もうみんなすでに知っていることではありますが、エンデューロマシンを作ってきたメーカーが、ラリーレイド(例えばKTMのダカール制覇)やグランツーリズム(エディ・オリオリによる2002年シベリア横断チャレンジ、2001年モンゴリアン・ゴビチャレンジのこともいつかどこかで知るでしょう)、またスーパーモト(スーパーモタード)といった新しいカテゴリーに力を入れ、全体にシフトしてきているということも、このトレーディングショーの現場では、鮮烈なまでに表現されています。エンデューロというのは実は比較的新しい言葉です。1980年以前、シックスデイズエンデューロもISDT(インターナショナルシックスデイズトライアル)と呼ばれていたのです。もともとエンデューロというのはオフロードレーシングではなく、全機能的な乗り物であるモーターサイクルの優秀性とライダーの技量を試す場であったわけですが、それがオン、オフという分化の進行を含む時代の変遷のなかで、いつしかオフロードレーシングのひとつとなり、やかでその本来の意味も薄れ、半ば忘れられ、居場所を失いはじめている。いや、すでにその時は過ぎて今は少数がサバイブしているだけの状態ではないか。ぼくは100%のエンデューロファンですが、そうしたことも一面の事実、現実だと思っています。
■今後、クロスカントリーモーターサイクリングというものが、高い持続可能性を獲得して楽しまれるためには、その外見的な特徴は、今までのものとは大きく異なったものになるのではないか、なるべきではないか。別にインターモトを見てきたからというわけではなく、そういう思いにかられています。
●写真はINTERMOTから。新しく市販バージョン「アドベンチャーけも発売されるというKTM950Rally
LC8、ファブリッツォ・メオーニの02ダカール優勝マシン |