ファラオラリーこぼれ話 NO.5 要領よくやるってこと
■写真は、車検を前にしてタイヤ交換を待っているぼくのマシンです。タイヤはミシュランデザート、ムースも同じくミシュランのラリー用を使いましたが、その手配はJRM=日本レーシングマネージメントを通じて行ないました。前後タイヤとムースを2セットずつ。スタート前に新品を組んでおいて、途中で一回交換するという予定です。
■カイロは暑くて、真昼は40度近くまで気温があがります。車検はスタートの前日に行なわれます。そんな時に、長時間、屋外で作業するなど、あまり利口ではありませんよね。でも、このときは、遅々として進まないタイヤ交換作業を待っていて、炎天下に、ずいぶん無駄に時を過ごしてしまいました。タイヤ交換を待っている間、ホテルの部屋で休んでいればいいとも思ったのですが、自分がいない間に、作業を後回しにされるともっと大変だし、マシンやスペアパーツから目を離すのもイヤだったので、ずっとタイヤサービスの近くにいたのです。暑いし、疲れますよね。
■ラリーに限らないし、海外でも国内でも同じことですが、こういう「雑用・瑣末事」を、なんでも「要領よくやる」というのは、上手な試合運びのために大切なことです。一見なんにもないようなところから手品のようにパーツを手に入れたり、砂漠の中で自分だけ美味しいものを食べてたり、あるいは不思議とどこでも美人と仲良くしているようなライダーがいますが、そういうヤツは、つまり「ラリーの達人」なわけです。ぼくはどちらかというと、要領が悪いほうで、この時も「こんな時○○君や○○君だったら、きっとうまく立ち回って、自分は涼しいとこにいたりするんだよなー。俺ってまだまだだよなー」なんて思いながら、せめてもと日陰でビールやジュースを飲んでリラックスしてみたり…。
■1本のタイヤを交換するのに30分もかかるようなタイヤサービスの人たちでしたが、仕事は誠実で、汗だくになって休憩もとらずにせっせと作業してくれました。終わった頃には、真っ赤な夕陽が、砂漠の向こうに沈んでいく時間。車検の列は長蛇となっていましたが、こういうところで遠慮をしていると、多国籍イベントではオハナシになりません。押し出し強く、スタッフに存在をアピールして、そこからはさほど時間がかかりませんでした。
■やっとホテルの部屋に戻ると、とっくに車検を終えてシャワーまで浴びた友人がベッドで観光ガイドなどめくっています。やっぱりまだまだ半人前でした…。
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