国際6日間エンデューロ
インターナショナルシックスデイズエンデューロ(ISDE)というイベントがあります。日本ではエンデューロ=耐久レースというイメージもありますが、ISDEをはじめ、ヨーロッパまたアメリカでもそうですがエンデューロと呼ばれる競技は、いわゆるオフロードレースとは若干意味合いを異にするもので、耐久的な競技でありますが、レースではなく、バイクの性能とライダーの技量試す(トライアルする)目的で行われる競技会です。ISDEも1979年までは正式名称をISDT(インターナショナルシックスデイズトライアル)としていました。その後、現在のトライアル競技との混同を避けるため、その耐久的であるという後天的な特徴にちなんで「エンデューロ」と改称したわけですが、その内容は変わっていません。アメリカでは今でもエンデューロのことを「リライアビリティトライアル(信頼性試験)と読んでいる競技会があるはずです。
日本には、モーターサイクルスポーツの多くのジャンルで、世界的なイベントに通用するライダーが存在します。モトクロス、トライアル、ロードレースにはチャンピオンもいて、多くの人に知られるようにもなっています。ラリーレイドの世界では、博田巌、池町佳生、三橋淳が、どうしてこのように才能がひとつのジェネレーションに集中したのか不思議なほどに、突出してその名を、ダカールほかのラリーでリザルトの上位に残してきました。エンデューロの世界ではどうかというと、そういう意味では、あまり人がいないように見えるかもしれませんが、しかし、個人的な努力の量、熱はけっしてそれにまけてはいません。
発売になったばかりの月刊ガルル10月号には、この9月13日から18日の日程で開催される、ISDEポーランド大会に参加する日本人選手のひとり、藤原広喜のインタビュー記事が掲載されています。藤原広喜はモトクロスの国際A級ライダーとして活躍ののち、1995年のISDE(やはりポーランド大会だった)から、本格的にエンデューロライダーとして活動を開始、現在まで、国内外のレース、エンデューロで常に好成績を納めてきたライダー。このインタビュー記事は、ISDEってなんなのかな、ということも少し、わかるような内容になっているので、ぜひ手にとって読んでみてほしいです。
エンデューロの魅力とは何か。ISDEが世界中のたくさんのライダーにとって憧れであり、また目標とされている理由が、藤原広喜の言葉として、端的に語られています。「世界一のファクトリーライダーも、自分も、同じようにすべてのことを自分でやらなければならない競技--」。だからこそ、そこでメダルを受けることには不変・普遍の価値がある。
藤原広喜は、現在のところ日本人として、ISDEでゴールドメダルを獲得する可能性がある唯一のライダーといってもいい実力の持ち主です。過去4大会、連続でシルバーメダルを獲得してきました。それまでは、レンタルのGASGASというスペイン製マシンでのエントリー。今回は、日本で主力に使っている乗りなれたヤマハのマシンということで、いやがうえにも期待が高まっています。日本では、まだ誰もゴールドメダルを獲得したことがありません。藤原の6日間エンデューロは、まもなくスタートです。
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