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No.039
2001/07/02

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レゴラリータ!! その5

■中断していた「レゴラリータ!!」のテーマですが、この一連のハナシではシックスデイズを走るマシンを切り口として、いわゆるエンデューロマシンのことを語って(騙って!?)いるわけですが、最近は環境保全という時代の大潮流のなかで、FIM(国際モーターサイクリスト連盟)の方針も低エミッション化へと大きく傾いていて、これは現実的には4サイクルマシンへの移行を意味するわけで、もちろんストリートリーガルのマシンで競技をするエンデューロマシンの場合、真っ先に4サイクル化するのが必然。1998年からは新たに4サイクル250ccのクラスが出来て、みなさんもよくご存知のホンダXR250が、にわかにエンデューロマシンとして注目されるようにもなりました。欧州のエンデューロマシンメーカーによるマシン開発が追いつかないまま、世界選手権にこのクラスが新設されたことで、日本のメーカーがスタンダードのひとつとして長年育ててきた4サイクル250ccが桧舞台にたたされたというわけです。

■1998年に新設された4サイクル250ccクラスの初代ワールドチャンピオンも、ホンダXR250が獲得。ライダーはイタリアの軽量級マイスターであるジャンマルコ・ロッシという人で、XRというマシンへの親しみからか日本のエンデューロライダーにも知られている名前です。世界選手権エンデューロ、そして年に一度のシックスデイズエンデューロでは、ホンダはじめ日本のビッグ4は主役とはいえません。そこはKTM、ハスクバーナといった欧州の老舗ブランドが活躍する場。しかしXRというバイクだけは、少数とはいえアマチュアライダーに支持を受け続けてきて、しかも十分な苛酷なエンデューロを戦い抜くパフォーマンスを発揮していたようです。勝つことは決してなくても、どんな難コースにも、どんなにタフな設定であってもへこたれることがないという点で、XRは十分にエンデューロマシンだったといえるでしょう。そんなバックグラウンドを持つXRですから、乗るべき人が乗り、勝つために全力を尽くしたならば、世界選手権のタイトルを得ることができたというのも、ある意味では当然だったのかもしれません。

■しかし、あくまでもそれは新クラス区分へ移行しようする過渡期にあってこそ可能だったタイトル獲得だったといえます。翌1999年は水冷エンジンのカワサキKLX250がチャンピオンマシンとなり、さらに2000年は老舗のKTMがセルスターター付のニューマシンでタイトルを取りました。そして2001年、YAMAHAは5バルブエンジンのニューマシンを投入。ステェファン・ペテランセルをワールドEDに呼び戻してタイトルを奪取。すでに市販されているマシンでの勝利であり、これは本当にヤマハの圧勝といえるものです。おそらく今後XR250がワールドEDの表彰台に立つということは起こらないと思いますが、だからといってXRというマシンの価値が下がったとか時代遅れになったのだと思う人は、少なくともあのバイクを知っている人のなかにはいないでしょう。むしろその価値は普遍で、変わっていくのは競技のシステムなどといった些末なことのほうなのだと、頑固な人ならそう言うかもしれません。

■とはいっても、ぼくたちがよく知っているあの空冷4サイクルマシンが、バリバリのヨーロピアンエンデューロを向こうに回して互角の戦いを演じるばかりか、時には総合でも好タイムをたたき出し、シリーズチャンピオンを獲得。シックスデイズでも大活躍したあの1998年シーズンのことは忘れられません。もしかすると、日本のライダーに対し、ヨーロッパのエンデューロを紹介するもっとも有能なスポークスマンは、この年のXR250だったかもしれません。

■続く…

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