■本来は「週刊…」のはずのこの北の島。ところが最近は催促されるまで書かない事実上の月刊となっていることを反省し、そして「何で書けないんだろう」と考えました。たぶん「北の島」というタイトルにとらわれ過ぎているというところに思い当たりました。南に対する北、ということをテーマにしなくては、と思いすぎているんですね。だから、少し気分をラクにして、なんでも思いつくことを書いてみても良いということに(勝手に)しました。今回はOVのコーナーでヤマダさんが書籍のことについて書いてるのを読んだので、ぼくも「本」のことでも随想してみようかな??
■ほとんど"溺れる"といっていいほどの活字中毒のぼく。手当たり次第に何でも読むことは読みます。でもその中でも好みはやっぱりあるんですね。文学作品なんて呼ばれるものも結構好きで、息抜きのために机の上に置いてある何冊かの文庫を見ると、アベコーボーとか、カフカがあるかと思ったら『心中弁天島』なんてノサカセンセーの本があったりする。やっぱり手当たり次第だなぁ。昨年のラリーレイドモンゴル以来はチンギスハーンのことを書いたいろんな本を読みましたが、小説となるとやはり井上靖のが面白かったです。で、やはり苦手なジャンルもあって、それは何かというと推理小説の類、またミステリーというのもダメ。どうもアタマの中がファンタジックに出来ていて、ロジックを受けつけないようなのです。ちなみにぼくは数学が苦手です。
■モータースポーツ物の小説には、なかなかいいものがないというのは半ば常識となってますね。ぼくもモータースポーツ物のストーリーで成功しているものって少ないんじゃないかと思います。人生経験の豊富なヤマダさんなら何か知ってるかもしれないと思い、いつか聞いてみたら「そういえば、あんまりないなぁ…」と言ってました。「高見沢優なんてどうですかね…(主人公の名:アスファルトの虎/大藪春彦)」とカマをかけると、「あれはイカンなぁ。いくらなんでもアレハなぁ…」とのこと。やっぱり読んでるんだヤマダさんも好きだなぁ…と思ったものです。というか、ぼくは大藪ワールドは結構好きで、汚れた英雄の前半なんてなかなかワクワクされられるのですが、モータースポーツモノというよりは「男の欲望博物館」って感じ。「男ってバカだなぁ」と日頃思っている女性には、ぜひ大藪ワールドを知って欲しいですね。男ほど扱いやすいモノはないということが良くワカルはずですから…。
■ノベルには良いものが少ないモータースポーツ物書籍ですが、ルポルタージュ、ノンフィクションといったものには良いものがいっぱいありますよね。ぼくはラリードライバーが持っている精神的な風景に憧れていて、素直に言えばラリードライバーという人種がカッコイイと思っているので、そういう人の自叙伝が結構好きです。雑誌などでまれに読めるほかは、書籍として刊行されているものが少ないのが残念ですが、数少ないなかでは、WRCで活躍したのち、ラリーレイドも走ったアリ・ヴァタネンの自伝が印象に残っています。華やかなラリードライバーとしての活躍の裏にあった、一人の弱い人間としての苦しい戦いの日々が、本当にリアルに描かれています。
■ということで、みなさんも何かおすすめのモータースポーツ物書籍があったら教えてくださいね。ヤマダさん、このSSERのホームページにそういうのを集めた書籍紹介コーナーなんか作ってみたらどーでしょーか?? モータースポーツ文化センターみたいでいいと思いませんか?
ビッグタンクマガジン
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