お問合せ/住所

 

 

No.033
2001/02/21

<< No032 (2000/02/07)

No034 (2001/03/05) >>

 

 

レゴラリータ!!

■今でこそエンデューロマシン、あるいはエンデューロバイクという呼び方が浸透して「ああ、こういうバイクのことだな…」と大抵のヒト(もちろんマニアックな世界でのハナシですが)がわかるようになっていますが、ほんの少し前、例えば15年ほど前のぼくたちには、そんな認識はありませんでした。インターナショナルシックスデイズエンデューロというイベントの名称に「エンデューロ」という名がついたのが1980年のことです。それ以前はインターナショナルシックスデイズトライアルと呼ばれていました。エンデューロという呼び名は現在のトライアル競技との混同を避けるために、新たに後天的な特徴をもってそれにあてたものです。エンデューロマシンに類するバイクのことは、一般に「レゴラリータ」と呼ばれていたようですが、あいにく、ぼくはその時代の人間ではないので断言できません。でも、レゴラリータと呼ばれていた時代の素晴らしいマシンたちのことを知ってはいます。赤いボディが素敵なマイコ、日本生まれのアメリカ育ちはホダカ。アルミの地肌が美しいタンクを積んだハスクバーナ。数えればきりがありません。

■そしてぼくが初めて出会ったエンデューロマシンというのは、レゴラリータからエンデューロマシンの時代へと移り変わってまもなくのものだったのではないかと思います。北海道でその頃盛んになりつつあったクロスカントリーレースに登場してきた、KTM、そしてハスクバーナがそれです。KTMにはモデル名としてGSという名が付いていました。BMW-GSと同じGSで、カタカナにするとゲレンデシュポルト(シュポルテ)になりますね。英語的にはフィールドスポーツとでも訳されるのでしょうか。KTMが現在のエンデューロシーンにおける巨人であることは周知ですが、BMWもまた、かつてヨーロッパのエンデューロで活躍したマシンだったということを知っている人も多いと思います。その意味で、BMWのGSは、KTMのGSの先輩ともいえるし、互いには兄弟ともいえる存在。昨今のパリ・ダカールではライバルとしてシノギを削っていますが、それは宿命的、運命的なことだったのだという気がしないでもありません。同じフィールドから生まれ育ちながら異なる時間を過ごした両者が、同じスタートラインについたのが世紀の変わり目であったことは単なる偶然ではないように思えます。話しがそれました…。

■で、ぼくが初めて愛車としたエンデューロマシンというのはKTM250GSでした。今では、tm, GASGAS, Husabergなどといったマシンも買えるし、XR400など日本製のマシンもエンデューロマシンとして充分な性能を持っていて、選択肢は非常に多いのですが、1980年代。日本で買えるエンデューロマシンといえばKTMかハスクバーナ、せいぜいXR250、またヤマハのIT200/250あたりがいいところ。ブルーのボディが美しかったIT200/250も憧れではありました。そういえば空冷のKDX200も人気があったかな?? しかし、今考えてもKTMとハスキーは別格の存在だったと思います。簡単に言えば、1986年のKTM、ハスキーといえばすでに15年も昔のマシンになりますが、コンディションさえしっかりとしていれば、現在の競技を走って充分に楽しいばすだし、ウデさえよければ上位だって走れる。そういうことなんですね。不思議なもので、それはすべてのヨーロッパ製エンデューロマシンのどの年代のものについても共通している、と少なくともぼくは感じています。少なくとも10年ぐらいでは簡単に魅力を失わないということ。良いものを作るというのは、単に品質管理がうまくいっているということではないように思います。特に趣味の道具の場合には…。

■10年程度ではその魅力を失わないというのはヨーロッパ製のエンデューロマシンの成り立ちを考えると、ある程度納得の行くものがあります。基本的にエンデューロマシンにはファクトリーマシンが存在しないということ。細部にわたる変更が、開発ライダーによって行なわれることがあり、また時期モデルとして先行開発されているマシンが競技を走ることはあっても、それはただ単に勝つため、成績を残し宣伝の材料にするためだけに作られるものではなく、やがて市販されるという前提で作られるプレ・プロダクトモデルであるということ。そのあたり、かつて流行したGPマシンのレプリカ市販モデルや、やはりかつてのファクトリーMXマシン対市販モトクロッサーとの大きな違いです。そして、その時期に最高の技術を持って作られたものというのは、いつまでも魅力的な存在であり続けます。というか、簡単に言えば長くつきあえる存在なんですね。ファクトリーマシンが存在しない、ということは裏をかえせばファクトリーチームと同じマシンが買えるということでもあります。厳密には違います、違う場合が多いといったほうがいいでしょう。でも、別物ではありません。そうした点もエンデューロという競技のある意味特殊であり、ある意味では「まとも」な部分といえるのかもしれません。

■突然ですが、今回から「レゴラリータ!!」というタイトルで、エンデューロマシンにまつわるいろいろなハナシに、エンデューロ・クロスカントリーってなんだろう!? ということをからめて、ある程度続けて書いていきたいと思います。どうかお楽しみに、おつきあいください。

ビッグタンクマガジン
http://www.bigtank.cc

MENU
No211 No212 No213 No214 No215          
No201 No202 No203 No204 No205 No206 No207 No208 No209 No210
No191 No192 No193 No194 No195 No196 No197 No198 No199 No200
No181No182No183No184No185No186No187No188No189No190
No171No172No173No174No175No176No177No178No179No180
No161No162No163No164No165No166No167No168No169No170
No151No152No153No154No155No156No157No158No159No160
No141No142No143No144No145No146No147No148No149No150
No131No132No133No134No135No136No137No138No139No140
No121No122No123No124No125No126No127No128No129No130
No111No112No113No114No115No116No117No118No119No120
No101No102No103No104No105No106No107No108No109No110
No091No092No093No094No095No096No097No098No099No100
No081No082No083No084No085No086No087No088No089No090
No071No072No073No074No075No076No077No078No079No080
No061No062No063No064No065No066No067No068No069No070
No051No052No053No054No055No056No057No058No059No060
No041No042No043No044No045No046No047No048No049No050
No031No032No033No034No035No036No037No038No039No040
No021No022No023No024No025No026No027No028No029No030
No011No012No013No014No015No016No017No018No019No020
No001No002No003No004No005No006No007No008No009No010

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No.33
2001/02/21

 

 

 
<< No32(2001/02/07)

No34(2001/03/05) >>

 

 

 

http://bigtank.cc