<北の島もお引っ越しです>
リニューアルしたSSERのホームページは、今までよりもぐっとアクティヴかつインターアクティヴでもあり、今後がとっても楽しみですね。ぼくがやってるBig
Tank Magazineのホームページは、月一回発行するマガジン(オフライン)の宣伝用なんですが、最近少し更新をオサボリ気味なので、このSSERホームページに負けないようにきちんとやらなきゃ、と焦っているところです。ともあれ、これまではSSER
NEWSに書かせてもらっていた「月刊北の島」もこのオンラインに引っ越しということになりました。これからもよろしくお願いいたします。
<もうすぐシーズンオフ>
北海道はそろそろ半年間のオフシーズンに突入します。ぼくは夏の間仕事としてオートバイのメディアに関わることをして過ごし、冬はスキーやスノーボードといったような遊びの、これまたメディアに関係した仕事をしているので、自分にとってのオフシーズンというのはありません(まあ普通はそうなのですが)。が、一番好きなのはオートバイなんで、やっぱり気分的には少し寂しさを感じる季節であります。そういえば、初めてオートバイに乗ったのが15才の頃で、以来ずっとオフロードバイクと呼ばれるタイプのマシンを乗り継いできてもう17年にもなるんだなぁ。何が楽しくてこんなことやってるんだろうか、などと自問するのもきまってこういう季節なんですね。
振り返ってみると、レースに熱中していた頃は、エンデューロバイクの整備に明け暮れ、ローンを支払うために仕事に明け暮れ、レースの無い週末はというと、やはり山で走り込み、疲れた身体を職場に運んでという日常でした。今でも、レースにこそ出場する機会は少なくなりましたが、毎週末どこかのレース会場や、山にいることが多く、それはそれでずっぽりとハマった生活です。そのなかでぼくが得てきたものって何だろう。こんな遊びに熱中してきたからといって、物理的に何かが得られたりするわけではないし、当然のことですが経済的に豊かになったともいえません。何年もレースやラリーをやってきた人なら、こんな思いにかられたことは一度や二度ではないはずです。オートバイとレース活動につぎ込んできた費用を別な目的にかけていれば、広い家も買っただろうし、クルマも汚いトランポではなく、上等のサルーンカーに乗っていただろう、と。
<オートバイと埃と泥の日々>
もちろん、その埃と泥にまみれた日々というものが無駄なものであったのか、あるいは無駄ではなかったということの答えなど見つかりません。ただ、ひとつだけ言えることがあるとすれば、そうした時間と空間のなかで形成されてきたのが現在の自分であり、それを通してしかぼくは世界を見ることができないということ。良くも悪くも、オートバイと埃と泥の日々は、ぼくのすべてであり、否定しようにもしようがないといったところでしょうか。まあ、まだ30代の半ばも過ぎていない若輩者のぼくのことですから、これからいかようにも変わっていくことになるわけですが…。たぶんこれからも自分を変化させ続け、時に成長のジャンプをも与えてくれるのは、オートバイであり、それを使ったコンペティションと、そこで出会うことのできる多くの人たちなんだと思います。そして、オートバイが趣味といえるものであるとすれば、そうしたことを抜きにしては語ることはできないのではないか、とぼくなんかは思っています。オートバイというのは精神生活なんだよ、という言葉を聞かされたのは、ずいぶんと昔のことです。その頃はピンとくるものがなかったのですが、自分自身がこの趣味に長く関わっているなかで、ようやくその意味が少し理解できるようになってきました。ひとつには、仕事も興味の対象もエンデューロ(サーキットの耐久レースではなく)一辺倒だったぼくが、SSER
ORGANISATIONと、そこに集まるライダーたちと出会い、同時にその向こう側にあるラリーレイドというものに興味を持ち始めたことも影響しているように思っています。
<大航海時代のような…>
ラリーとエンデューロ。外見的にはずいぶんと似通ったふたつのコンペティションの形態ですが、その中身はずいぶんと違ったものです。日本のバイク雑誌はいいかげんなものが多いので、エンデューロもラリーもラリーレイドもデサートレーシングも一緒くたに理解してしまいがちですが、それぞれまったく違うものです。ぼくがずっと興味を持ち追い続けているエンデューロというものも、日本のライダーに一般的に理解されているものとは違うかもしれません。そしてラリーはラリーであり、エンデューロにもラリーにもKTMというバイクが出ていて、例えばみなさんに馴染みの深いステェファン・ペテランセルというフランスのライダーなどはエンデューロでもラリーでもトップクラスのライダーですが、だからといって同じ競技ではありません。簡単に言えば、エンデューロというのは操縦技術から整備・修理の技術といったオートバイに乗るための全般的かつ基礎的な技術の高さをできるだけ公平に試し合い、評価するという目的で行われるものです。ピンとこないかもしれませんが、興味のある人は季刊Back
off誌の秋号か、あるいは月刊ビッグタンクマガジンを読んでいただけると少しだけそのあたりのことがわかるかもしれません。 対してラリー、あるいはラリーレイドは、その名が示すように遠征軍のような形態を持って、運営する団体・選手ともどもに行軍のようにクロスカントリー的なシチュエーションのなかを移動していきます。ライダーは主催団体のオペレーションに保護されているため選手にとっては冒険的な行為とまでは言えなくても、それをプランニングし、運営し、実際に未知ともいえる地平を突き進んでいくことは冒険そのものといえるでしょう。エンデューロの目的が純粋な「試合」であり、そこでメダル(確固たる評価)を受けることに価値を見いだすライダーが集まるのに対して、ラリーレイドの場合には一部のファクトリーチームの思惑はまた別として、やはり主催団体がぶちあげた壮大な夢に共感し、その冒険を共有したいと思った人が集まってくるのがラリーレイドなのではないでしょうか。ちょっと意味は違いますけど、大航海時代の船主と株主のような関係にも似ていると思いませんか? もちろん冒険の成功によって得られるものは黄金などではなく、精神的なものにすぎず、ある意味エンデューロよりもずっと純粋な部分があるんじゃないか、と考えています。
<北の島は続きます>
よほど縁が薄いのか、まだまだ動機が不十分なのか、ぼくはまだラリーレイドというものを体験したことがありません(トホホ)。見たこともないのに、こんだけ語ってしまうんだから嫌なショーバイですね。まったく。ですが、きっと近いうちにはずっぽりとラリーレイドにはまってしまうことは間違いないでしょう。それまでもう少々お待ちください。という感じです。今回はちょっととりとめの無いハナシになってしまいましたが、このホームページ上で、「北の島」は月1?2回の頻度で更新されます。たまたま、ぼくは北海道札幌市に住んでいるので「北の島」というタイトルをいただいてます。北海道のバイクシーン、あるいはコンペティションの状況に興味がある人もいると思いますので、何か質問などもあればお受けしたいと思いますので、お気軽にどーぞ。
ビッグタンクマガジン
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