ニューモデル
秋。エンデューロバイクもニューモデルの季節です。モーターサイクルのトレーディングショー(かつてはケルンショー、現在はミュンヘンのINTERMOTがその筆頭なのかな)、エンデューロバイクは、毎年秋に開催されるインターナショナルシックスデイズエンデューロ(ISDE)をターゲットに次期主力マシンを準備し、そしてデビューウィンを狙ってきます。ISDEは地味なイベントですが、世界各国からライダーを集めるだけではなく、各国の主要なトレーダー、関係するメディアが一同に会するという意味で、その外観以上のビッグイベントですこのイベントでニューマシンを走らせるということは、仮に成績がパッとしなかったにしても、各国のメディアに露出する機会として重要視されます。ある意味では、ISDEはエンデューロマーケットのトレーディングショーということもできるでしょう。
2005年は、ますます4ストローク250ccマシンが面白くなってきます。YAMAHA
WR250Fの独壇場だったこのクラスですが、すでにISDEポーランド大会ではCRF250Xが好成績をあげています。少数ですがKXF250も走っていますし、Husqvarna
TE250、tmレーシングの250クアトロテンピも、特に低回転からのピックアップを向上させてきて、2年ほど前のモデルとは比較にならないほどの軽快感を獲得しています。しかし、本当の意味でこのクラスが面白くなるには、KTMニューエンジンの登場を待たなくてはならないでしょう。おそらく2005年中には世界選手権にも登場するであろうDOHCユニットです。かつてホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキがビッグフォーと呼ばれた時代は、こと、モータースポーツの世界においては過去のものとなり、今はKTMを含めた「ビッグファイブ」の時代とも言われていますが、難しいと言われる4ストローク250ccレーシングエンジンの世界でも、ビッグフォーに拮抗できるかどうか。楽しみなところです。
しかし、そのビッグフォーの代表格たるホンダは、トライアル競技用4ストロークエンジンで、一歩も二歩も先をいってしまったようです。コンパクトなバッテリーレス式の燃料噴射システムを、トライアルという非常に繊細なコントロールを要求されるエンジンでいち早く実用化。燃料噴射はすでにGASGASがエンデューロマシンで実用化していますが、マグネティマレリのそれはバッテリーを必要とするシステムです。そう、KTMは、おそらくバッテリーレスの燃料噴射をデビューさせて4ストロークエンデューロの世界での巻き返しをはかってくるはずです。
ビッグタンクマガジン
http://www.bigtank.cc
|