雪
北の島のライダーは現在冬眠中。今年はどうも積雪が多くて、雪に降り込められてしまった感があります。昨日、屋根からの氷が落ちてきて、大きなつららが一本、家のガラス窓をつきやぶってしまいました。残念。雪に半ばうもれている窓なので、すぐに窓ガラスを交換というわけにもいかず、断熱材をガムテープで貼り付けて、急場をしのいでいる次第。早く春にならないかな。
バイクに乗れないことによる運動不足解消にと、近所のトレイルをせっせと走っています。雪のなかのシングルトラックです。雪とひとくちに言っても、いろいろです。砂丘を知っている人には、砂と同じように千変万化だと言えば通じやすいかもしれません。降る雪にさえ、みぞれ、粉雪、ぼたん雪、吹雪、細雪、などなどいろいろあるし、積もっている雪にもいろいろあります。ドカ雪は単なる大雪のことを言いません。本当の地吹雪を知っている人は、そのなかでは雪面に突っ伏して動けず、呼吸もままならないことを知っています。砂嵐というのも、きっと、想像を絶するものなのに違いありませんが、体験しないものにはぴんとこないのと同じことでしょう。
トレイルを走っているだけで、いろんな雪があることに面白さを感じます。湿った雪、凍った雪、ふわっと積もった雪、風にくだかれてぎゅっと詰まった雪、太陽が表面一度溶かし風がそれを再び凍らせた最中(もなか)雪。砂丘と同じように風紋になった雪は、アルプスの山岳用語がそのまま世界語となったシュカブラです。
近所のトレイルではなく、時々大きな山の上の雪原を一人で歩くことがあります。無心に歩いているようで、いつも方角を意識している状態が続くのですが、そんな時、なにを頼りに自分は歩いているのか。風や、時間、太陽の光を感じる方向、もちろん地形、頭の中に入ってる地図も頼りですが、もしかすると、踏みしめている雪の状態やその変化も、検討材料に入っているのかもしれないと思うことがあります。
砂漠でのナビゲーションが得意な人は、もしかすると同じように、千変万化の砂や土の状態を、人にはわからないレベルまで細分化して認識できるのかもしれないですね。ベドウィンには、砂を表わす単語がずいぶんたくさんあると聞いたことがあります。たしかそれは雪を表わす単語の数より、ずっと多かったように記憶しています。
写真は2001年のラリーレイドモンゴルのビバークから
ビッグタンクマガジン
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