<冒険ってどんな感じ?>
冒険という言葉でぼくがイメージするもの、ひとつはマルコ・ボーロの東方見聞録であり、もうひとつはアラビアンナイト、またひとつは西遊記。なんだそりゃ、全然冒険じゃねーな、と思われるでしょうが、なぜかぼくの中では、これこそが冒険なのです。すべてオハナシのなかに展開するもの、確かに実体験にはつながらないものなのですが…。でも、アラビアンナイトのストーリーに浮かぶ見たことも聞いたこともない、国、風俗、逸話。東方見聞録もしかり、壮大で不思議な遠征旅行の「記録」は西遊記。自分のなかにある常識や、経験をすべて無力にするリアルな体験がそこにあるように思いませんか? それこそが冒険じゃないかって、ぼくは思うんです。かつてパリ・ダカールに見た驚きも根っこのところでは同じようなものじゃないかって。見たこともない生活、信じられない常識、いくつもの知らない国を、大地を、命がけで駆け抜ける旅人のロマンティシズム。ラリーあるいはレイドというものが現代社会において、とっても強引な遊びでありながら、しかし存在価値を持ち、魅力的に映るというのも、あながち偶然などではないでしょう。インターネットなんて生活の道具にはなっても、夢のためにはなんの役にも立たないって。冒険しなくちゃね。
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