ダカールラリーとライカ
■みなさん明けましておめでとうございます。お正月といえば、やっぱりパリダカールラリー。菅原義正率いるその名もチームスガワラ、そして二輪では三橋淳、同じイベントで遊んだ、仲間、先輩たちがブラウン管の向こう側(古いなぁ、表現が)の、あの夢のような空間でドラマの主人公を演じている。心の底から最高にわくわくしてくる。数あるモータースポーツイベントの中でも、ダカールラリーだけは本当に別の中の別、僕の中の超特別です。本当に近い将来、そこに行ってみなくては、ですね。
■と、毎年そのように思っているのですが、なかなかできないのは、みんながほぼ共通して持っているコストのカベ。"お金がかかる"と平たくいえばそういうことになります。現在では、二輪で最低500〜600万円と言われています。ひとりのアマチュアが、このコストのカベを乗り越えるというのは、そうたやすいことではありません。本当に大好きで、すべてをそこにかけるという気持ちをキープできなければ、到底できることではないなぁ、と思います。
■BIGTANK誌に世界選手権エンデューロレポートを毎年、毎戦送ってくれているホジキンス夫妻から手紙と写真が届きました。切手にはESPANIAと印刷されています。スペインからです。毎年、もう何十年も欠かさず、シックスデイズにも通っている二人。ライダーではありませんが、ライダー以上に深く、生涯の趣味、ホビーとしてモーターサイクルと付き合っている二人です。定年退職した今は、簡素なキャンパーに仕立てたVWのバンでヨーロッパ中を旅しながら、エンデューロ、モトクロス、トライアル、ラリーのイベントを追いかけています。そしてチャンピオンシップがすべて終わったこの季節になると、ダカールラリーのヨーロッパステージを追いかけて、ピレネーを越え、暖かいスペインまでドライブ。バレンシアでのんびりと過ごすのが、ここ数年の恒例だということです。今年はカステロンで、チュニスへと向かうライダーたちの後姿を見送ったということです。その写真のなかには、笑顔の三橋淳、今年初出場の佐野新世の姿もありました。ライダーにいつも最高に暖かいまなざしを向けるホジキンス夫妻が、どんなふうにしてこの写真を撮ったのかと想像しただけで、気持ちが熱くなってしまいました。
■そのカメラが、またすごい。ピカピカの新品のようなライカ。「いいカメラですね。いつ買ったんです??」と聞いて、びっくり。「20歳になった記念に、お母さんが買ってくれたんだよ」。もう40年以上も前のことじゃないんですか、それは。しかも昨日買ったみたいにぴかぴか。そのライカとともに過ごした時間、刻まれてきた記憶。本当に大切に大切にされてきたライカ。なんとなくそこに彼らのモーターサイクルというホビーとのつきあい方、その真摯な姿勢が表れているような気がして、ちょっと神妙な気持ちになったことを思い出しました。
■BSAかなんかに跨って、くわえタバコがとてもジョンブルだった母国イングランドのトロフィ(国代表)ライダーを写したレンズです。40年が経った今、遠い日本から来た陽気なラリーライダーの笑顔を写しました。 |