日本の心
世界各国の国代表チームが集まる(ISDE)インターナショナルシックスデイズエンデューロ。今年のポーランド大会にもワールドトロフィと呼ばれる国対抗戦の覇を競うトロフィチームに22ヶ国が参加、トロフィチームを持たない参加国も含めると、40ヶ国ほど。モーターサイクリストのオリンピックと呼ばれる所以です。
これだけの国が集まると、それぞれのチームのお国柄というものが見えてきます。ぼくたちから見れば「諸外国」という言い方になるのですが、そうした諸外国の常識には、どうもぼくたちには「まず理解できない」ものも見えてきて、面白い
です。
モータースポーツに対する考え方、熱しやすさや、クレバーであったり、スマートなところ、いろいろあるんですが、ぼくがいつも面白いと思うのは、パドックの作り方。これまで見てきた多くの開催国で、まず、第一等の場所を、ホスト(開催)国のチームが占拠します。パルクフェルメのすぐ横がふつう一番いい場所なんですが、そこに陣取ってしまう。そのあと、アルファベット順などで、各国に場所を割り当てていく。6日間エンデューロの場合、150kmほどのコース中に何ヶ所かサービスポイントもあるんですが、そこでもやっぱりすべての場所であらかじめホスト国のチームのために、場所を確保していまう。
仮に日本がホスト国になったらどうするだろうか。ぼくが考えるに、きっと、日本人だったら「一番いい場所を自分たちがとるなんて恥ずかしい」と思うだろうと。日本人のメンタリティを素直に発揮させると、すべてをゲストに譲って、一番ぶの悪い場所に、自国のパドックを置くかもしれません。もちょっと普通にやると、アルファベット順に置いて自分たちもきちんと「J」の場所(イタリアの次かな?)に並ぶ。あるいはクジ引きを行って公平性をはかるなど、自分を有利に置こうしているように見られない工夫をするんじゃないか、そんなふうに思います。
こうした日本人のメンテリタィがいいことか、わるいことか。それは時と場合によると思うのですが、ぼくはそういうおくゆかしさは、好きです。諸外国の人には、理解されないだろうとしても。あるいは「国際社会では通用しない」などといわれるかもしれませんが…。
余談ですが、今回、日本のチームは、パドックを清潔に保つこと、ゴミひとつ残さず毎日きちん後片付けすることが美しくうつったようで、地元新聞で取り上げられお褒めの言葉をいただいてましたよ。
ビッグタンクマガジン
http://www.bigtank.cc |