■前回は「例えばエンデューロにしても、その競技形態やルールというものは、社会環境に呼応し、相応の変化をしていくべきものなんじゃないか」ということを書いたのだけれど、クローズドコースで行われる競技なんかだと、別にそんなことは考えなくてもいい。モトクロスにしろ、ロードレースにしろ一種の隔離された特殊な環境だし、サーキットエンデューロと呼ばれる耐久レースにしても状況はモトクロスと同じ。でも、公道を使って行われるイベントについては、あくまでも社会環境を基盤として行われるものだから、もし、社会環境・常識・通念というものを無視し、その変化への対応を怠れば、淘汰され消滅していくのも必然。
■無くなったら無くなったでしょうがないねー。というんだったらそれでもいいけど、やはり自分の遊びは自分で守っていきたいもの。ライダーの側はもう少しそのあたりの感覚を育てていきたいし、主催する立場の人たちも、イベント全体にそうした「表現」を盛り込んでいくことを考えなければならないんじゃないかと思うわけです。
■で、これも前回書いたことだけど…。ISDEのルールは長年に渡って社会環境にもまれ続け、そのなかで練り上げられていった完成度の高い、スタンダードと呼べるものだ…。というようなこと。では日本でもそれとまったく同様のルールで開催されるべきなのかというと、それも難しい問題ですね。1周150kmのルート、最大の平均時速35km/h、それに車両規則などなど。これらFIMのISDEルールを最大限踏襲したとしても、まだ日本の各地の実状にマッチしたものとはいえないかもしれません(SSERのこと、エンデューロのことちょっとマジィで話してみませんか、のバックナンバーにある第一回大会開催のところを読んでみて下さい。参考になるかも)。むしろ、ISDEルールの根本原則である「開催地の交通法規を遵守」ということを拡大解釈(?)して、ルールを練り上げていき、新たなスタンダードとして発展させていくことが肝心なのかもしれないと思う。もちろん、拡大解釈とはいっても、固持しなければならないポイントがいくつかあるということに注意しなければならないのはもちろん。例えば車両規則においては、もっと排気音量を積極的にコントロールする。また平均時速の上限をもっと低くしてみるとか、ルートとして使用すべきではない自然環境条件を盛り込むなど、ISDEが社会環境に密着して成長し、その姿を少しずつ変えてきたということを参考にするならば、日本ではどのような競技に発展の希望があるのかということも、自ずと見えてくるような気がします。
■では、また来週。
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