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No.74
2004/06/25

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蝦夷ヶ島

■さわやかな風に吹かれる北海道の夏は、まるで厳しい冬を堪えてきたことのご褒美のような感じがします。そう、北海道には梅雨がないってことになっているんですが、ここ2〜3年は、雨が多く、割合ジメっとした夏が続いています。こういうのを「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」と呼ぶんですが、待ち望んでいた夏がこんなエゾツユなんかだと、なんていうか、とにかくがっかりです。500キロもリエゾンを走ってきてようやく楽しみにしていたスペシャルステージの入り口にたどり着いたと思ったら、SSキャンセルになっていて、また何百キロものリエゾンが始まるような、とかそんな感じです。今年の夏は、どうかそんな「蝦夷梅雨」ではありませんよーに。北の島のライダーたちは、心からそう願っていることでしょう。

■蝦夷というのは、たぶん、蔑称のようなものでしょう。あまりいい響きではありません。北海道へ嫁に行くという孫に「エッ蝦夷ヶ島にいくのがえ〜」と腰を抜かしたおばあさんが、最近いたとかいう笑い話が、地元の新聞に出ていましたが、どう思います? 無論エゾガシマというのは北海道のことでしょう。

■モンゴルにあてる「蒙古」も、漢民族から見たある種の差別的なニュアンスがあるのか(どうでしょうかヤマダさん)」。が、ヤマダさんが最近のOVで書いているように、地名の感じる憧憬の、ぼくのある種のつぼを刺激するものではありました。実は、ぼくにとっては「四国」にもそれに近い、憧憬があります。北海道の乾いて広漠とした自然ではなく、青く折り重なる山々、木陰、葉の影、川に淵に、たくさん精霊がこちらをうかがっているような、生き生きとした自然の豊かさ、美しさ、不気味さ。それらのイメージが「四国」という文字の姿にかさなるのはどうしてなのか。

■夏は、やはり暑いほうがいいですね。数年前、仲間の渡辺君と、真夏の2デイズ、四国を、土佐を訪ねた日、ただ暑いというだけで、おおはしゃぎしてしまいました。「なんという暑さだ!!」。それだけで楽しい。驚きと感動。いろいろ理屈をつけたがりますが、それが旅というものですね。日本も広い。蝦夷ケ島の住人の驚きは、まだまだ続きます。

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