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 「バイクバイクバイク。。おまえは、そんなにも優柔不断だったのか。」 
ボクのニューマシンを探す旅は、ひとまず湯布院ラリー2デイズのため休憩。と思いきや、この旅ではさまざまなバイクを眺めることになったので、思いというか悩みはどのように旋回していったかというオハナシの巻なりよ。 
まず会場でボクの目を引いたのは当然XR500... 「なんだ、そのタンクは。いったいどこで手に入れたんだろう。」 ボクの心に小さなさざ波が。。 若かりし日に憧れたXR500やXT500、それにIT490.。 
傍らに停まるのは水上さんの、KTM1190ADV. 
この両極端はなんだ! 
手許にある最新号のfrmじゃあ1290 SUPER ADVENTURE・・・・ 
ああ、またボクを悩ますアドベンチャーという、理解不能なコトバ。。 
それにしても、と思う。 そのカテゴリーは、百花繚乱だ。 
BMWのこのカテゴリーの構築と成功を受けて、ほかのメイカーは追いつくのにこれだけの年数がかかったのだ。 
ということは、何がしかの特許的なプロテクションでもかかっていたんだろうか?その間に王座を温め続けたBMWは、創業者的利益を爆発的に生み出したはずである。 
そして、その余勢をかって市場完全制圧!!世界征服! 
という夢を見る。そして必ず失敗するはずの全カテゴリー・全クラスターに爆弾を投下しようとする。いわゆる絨毯爆撃だ。 
これをすると趣味性を著しく損なう。かつて日本のメイカーがはまった陥穽だ。 
ボクは思うにBMWは、あの当時の(サンクトとかのね)パリダカの成功のあと、こうした市販車の開発と販売に心血を注いできた。 
ロードしか興味のないに等しかったBMWユーザーを、パリダカの成功を持って大いに興味の方向性を多様化させ、しかしもともとその嗜好にいたいわゆるマニアたちさえもこちらを向かせる方策を取った。こうして、たちまちのうちに新らしい顧客を大量に獲得した。 
今はどうかは知らないけどあの頃 「いま世界で一番売れてるモデルがBMW-GSですよ。」 
だそう。 
GSのオールドファンだったボクは、まさにビックリ仰天。 
あの孤高の、時には偏見と、差別視されてたGSが、である。 
そんなころ、KTMはダカールで累々たる勝利を築き、(いやそれは長い苦難の闘いだったのではある)すごい力で世界を制圧したかに見えたが、実よりも名を取っていて、BMWこそは大きく自らが開いたダカールの流れをくむ(いわゆるアドベンチャー)というマーケットを形成してしまった。 
BMWは、名を取り(いやKTMに譲り)実を取るという作戦は、功奏した。 
でもその巨大な市場は、いくつものチャレンジャーを生み、いつまでもあたたかい王座の座布団も不安な今日この頃。その座主の危機感の煽り方は尋常じゃなく、いつ聞いても 
「もう相当厳しいらしい、本社もこのままだと二輪部門の撤退もあり得ると言ってる」 
というふうな、どこからそんな話になるのだろうかと思うほどの危機感の煽りのオンパレードは20年以上続いている。。。 
さて、その議論はさておいて。。湯布院を駆け登りやまなみハイウェイにひとたび出ると唖然!! 
「バイクが売れてない・・?」 「日本が景気が悪い・・?」 「若者がバイクに乗らない?」 
そんなのどこの話しよ!?ってくらいのバイクバイクバイクだ。 確かにヘルメットの中の白髪頭は確認のしようは無いのだが。。。 モーターサイクル百花繚乱。 
過去にないほどのあらゆるモデルがひしめき合ってる。 
瀬の本高原の三愛レストランや大観峰は、まるでモーターサイクルフェスですな。ここでは、なんていうか、「乗るよりも見せる」というモーターサイクルのもう一つの側面が如実に。 
いや決して揶揄してるのではなく、美しいモーターサイクルを眺めながらCafeで仲間と語らう。素晴らしい文化的な行為でACE Cafeも、Cafe 
Racer文化を生み今もリバイバルの成長曲線にある。 「素晴らしい・・・」 
しかし、何かが違う。 そこはトイレの前だ。 
眺めてるライダーたちは缶コーヒーで、アスファルトにじかに座ってる。。。 
これだけバイクを見せたいのに、ウエアや自分たちの振る舞いやしぐさを見せたいとは思わないのが、日本のモーターサイクル文化のいまいちなところか。 
やまなみの入り口ではバイクだけの一斉検問が行われていた。両方の車線で。そこを通り過ぎたボクは、二つくらい次のコーナーからフルバンクで立ち上がるやセンターラインまで膨らんで走るバイクが。。この次のコーナーを立ちあがったところに検問があるのになあ。。。 
「バイクはどこへ行くのだろう。」 「バイクとは今の日本人にとって、どのような存在なんだろう」 自由は得た。反抗は、別にシンボルを求めてはいまい。 
ボクはバイク選びに最新のマシンを!”というテーマが霧散していくのを感じつ 
つある。なにかこう「老人と海」なのだよ。 「そうだ、GS Adventure2007年モデル(ボクのね)を、スクランブラー化計画は出来ないのかなあ?」 
新しい方向性が生まれてきたよ。 久しぶりにR80G/Sを走らせてみて。 
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