「NAVI、休刊。」
1984年に創刊されたNAVIは、2010年4月号で休刊となったのだという。ボクはなんとなく買わなくなって久しい同誌を駅で見つけて買った。懐かしい。
1984年の創刊当時は、ボクにとっては衝撃的な一冊で、バイク雑誌を買うに紛れて良く買ったものだ。よく読んだか?というと「???」なぜか本屋で立ち読みして「よし、これ読もう。」と買って帰るのだが、結局精読した試がなかったような気がする。あのころボクは、SSERのスタートに向けて、全精力を傾けていた。
PCの無い時代。いや、無くは無かったが、あんなものどうやって使うのか分からない時代だった。レギュレーションひとつ作るのも、今とは比べ物にならないほど大変だった、もとい面白かった。つまるところ雑誌の編集とかも実に大変な作業を強いられていた。ゆえに価値も大きかった。
そしてNAVIは、上手く表現して群れから抜け出した1冊だった。つまり大好きな1冊となった。
しかしある時、モンゴルのラリーを取材したいとウランバートルまでやって来た自動車評論家、巨匠とか言うのだが、ラリーのヘリまでウランバートルに呼んでおきながら、「ラリーのキャンプにホテルが無い!?」と知るとドタキャン!おまけに翌月号のNAVIにコラムにはイラスト入りで「よっ、社長!」とか書いて「日本人も偉くなったものだ、金にあかせてこんなところでラリーをやるようになった。と続けた。まあ本当に取材して、ボクらが金にあかせて、ラリーをやってると知って書くなら許せたのだが・・・ボクはおかげで二玄社の本が買えなくなった、評論家なんてそのレベルで、自動車雑誌もたかが知れてると思った。
クレームをつけると張り切る周囲に、ボクは「バカの相手をすることは無い」とたしなめるといういつもと反対の図式だった。
それでも、創刊号から読んだ?ボクは、休刊と聞くと一抹の寂しさに襲われた。ボクも何度も休刊じゃなくてラリー休止の瀬戸際に立たされた。
止めるのは実は勇気がいるようだが、決めてしまえば簡単なことだ。しかしそれでは断たれてしまうものがある。それは営々と続いたという連続性であり、時代の流れに対応できなかったという、まあ何にでもあることだが悔しさである。
本文の中に「絶望ノススメ」として「モータースポーツ終末論」が展開している。自分たちが休刊するからって、いまさらそんなこと書き捨てないでよ。とぼくはその巨匠の書き捨てたときの苦い味が蘇った。
続けないということはそんなようなことだ。しかも最終刊は1冊1000円もする。「よっ、社長!」一番大切なのは執筆陣ではなく、読者たちなのだぞ。
(おまけ - 参加者大募集中)
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