お待たせしました。モンゴルからの試走レポート第1段です
前日は衛星回線が不調で送信できませんでしたので2日分を書いていますが、画像も送れそうにないのが残念と言えばちょっと残念。で、来る飛行機の中で007ワールド イズ ノット イナフをやってました。ナニヲカクソウ、僕はソフィー・マルソーの不安じゃなかったファンなのです。「ラ・ブーム」からはじまって「熱砂に抱かれて」や「アンナ・カレーニナ」もちろん「女優マルキーズ」も観てます。でもうひとつの趣味が実は007です。が今のじゃなくて、今は俳優の名前すら知らない、です。ショーン・コネリーと作者のイアン・フレミングに惹かれていたんですね。ナニガって趣味に、ウィットに。で今回の007は観ない!ことにしてたんですが、さすがに飛行機のヒマに負けて、サッサとヘッドフォンを当ててウシウシと見たですね。で、まぁソフィー・マルソーにこんな役やらすのかねぇ、って感じだったんですが、その舞台がアゼルバイジャンのバクーやイスタンブール、果てはボスポラス海峡を核汚染で封鎖してパイプラインをナンダカンダと、まぁ時代遅れというか、時代に合ってるんだろうかとか「ロシアより愛をこめて」もう20年いや30年近く前の方がイマ的な感じがします。で、その例の地名の数々は僕の弱い部分なんです。もうイスタンブールとかボスポラス海峡とか聞くだけで「あ〜そこそこ」って感じです。でそこらはモンゴルの英雄たちが押し寄せて文化を混ぜこぜにした場所なんですね。
そこで試走隊は予定通り、西へ向かってスタートしました。延々と西へ向う2日間、この道の果てるところは中央アジアそしてイスタンブールかぁ?!などと感慨にふけってます。この大地をどんなモチベーションが彼らを駆り立てたのでしょうか。走っても走っても(近代兵器で)つきることのない一直線の大地と絶対量を誇る、そう彼らが天と呼んだ大空。その人々の営みと人間のもつ欲望や野望とは全く無縁とも思えるこのたおやかな大地に、何故にその殺戮の大軍団が駆け巡ったんでしょうか。
僕たちの旅は、そのかすかに記された西方遠征の踏跡を辿る旅でもあります。混沌を極める近代の東アジアに平和と安定を求める英雄が誕生しない現代に在って、全世界にそのヘゲモニーを唱えたチンギス・ハーンの心の一部を確かめるために。ロシア支配になる70数年前までモンゴルは中国(清朝)の支配下でした。それをロシアに渡した中国の意図はともかくこの地は2大社会主義大国に挟まれた、やはり社会主義の国でした。そのロシアと同じ様式の建物や言語を見るにつけ、アジアとはとか、東と西とは、などと思いを巡らせてしまいます。
今、標高2500mの峠を下ってきました。美しい高山植物の群生が圧巻でした。日本の観光地のそれとは違い、誰に見られることもなく咲き誇り、やがて枯れてゆく繊細で可憐な花々にモンゴルの民の生きざまを感じました。ところが、どうやら最近の資本なき資本主義化は「マネー・マネー」というコトバを生んで、「野に咲く花もお金にしなきゃあ」的なムードがぷんぷんです。
でもね、夜毎繰り返される大天体ショウ、あなたにも1日も早くお見せしたいものです。ETAP2の160kmくらいの奇岩のピストもとっても楽しくて。
明日もREPORT送りますのでお楽しみにねぇ!!
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