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「さらに通関待ち」 
北京-西安-羅馬 絲綢之路 国際越野賽 2008レポート 
 いよいよ出発の朝。午前中に天津新港でマシンたちを引き取り、一度ホテルまで帰って出発準備の積み込みと、公安に出向いて最終の許可書を貰わなければならない。おそらく早い午後の出発になるだろうと、洛陽までの長い道のりをあきらめて、太原あたりを目的地に変更することにした。ホテルの手配など行程がずれていけば、それはもう困難になる。 
ライディングウエアに身を包み港へ向かった。まずは書類を受け取るために一つ目の大きな役所に。税関なのだろうか、大きな近代的なビルで巨大な吹き抜けがある。こうした巨艦主義の建築物を行政が建て始めると、良い事は少ない。待つことしばし、風が強く海が近いことが感じられる。そののち海の中に延々と伸びる道路。その巨大さにあきれるばかりの港湾。世界のハブポートを目指しているのだろう、しかし世界の情勢はその判断を肯定はせまいと思う。 
巨大な道路の直線は、ボネビルまで行かなくてもここでどーよ?なほどに広く長くフラットだ。やがて見えてきた次の建物でも、待つことしばし・・・そしてさらに次の建物からは「税関職員が同行」「???」税関検査はこれかららしい。どうも書類の検査に時間がかかっていたのだ。 
やっと予定のヤードに到着。さあ出発だ。今回はいろいろあったなあ・・・なんて考えているのもばかばかしい答えが返ってくる。 
「コンテナは昼過ぎにこの検査場に来るから、昼休みのあとだ」 
「でたーーーっ!」 
もう今日の出発は、ほぼ絶望的なのだ。ガックリと肩を落として、天津市内まで昼食を摂るために戻ることに。2時過ぎ、やっとコンテナに対面。こんどは検疫がバイクの固定に使っている木材がNGだという。明日から24時間かけて燻蒸(くんじょう)化学的に殺菌・・するのだという。 
「なにを馬鹿なことを」 
国際ルールでは生木を使う時には必ず燻蒸しなければならないが、加工材、集成材の場合は必要ないのだ。しかも何度も電話で確認したじゃないか!!・・・隣のヤードには韓国から搬入されたヒュンダイのエンジンが生木のパレットに乗っている。全ての断面にはスタンプが押してある。 
「このような状態でなければならない」と。 
でもどうも燻蒸なぞしてないように見える。 
「燻蒸してあるかどうかではない、スタンプがあるかどうかなのだ」 「・・・・・」 「法律をよく見直してくれよ!なんなら弁護士を呼んで欲しい!」 
なんていっても通じなくて・・・この日はやむなく天津にホテルを取ることに。 みんなはまだ明るく陽気なのに救われる。このあとどのように行程を調整するか? どのように出発できるようにするか?これは厳しいことになりつつある。 
なかなかしょっぱなから厳しいカウンターを食らった。 
お知らせ 
24日午後、車両はすべて受け取り完了しました。今夜は引き続いて同じ場所に宿泊し、明日スタートの予定です。 
北京-西安-羅馬 絲綢之路 国際越野賽 2008のレポートを現地からお届けしていきます。 
  
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