「北京de考えたこと」
何度目かの北京。 末期フェチのボクは清朝末期とか、明朝末期とか、好きだ。 ついでに言えば、滅びゆくモノの姿に美しさを感じる。
そこにある混沌、退廃、不条理。そしてエネルギーの充満、爆発。 ジョブスの言葉を借りれば、滅びこそ革新の最大の契機となる、のだ。 大木は倒れなくては、若木は育たない。 倒れることで、これまでさえぎってきた太陽の恵みを地表にまで届け、ついでに 自らの栄養を次世代に供給する。「滅び」こそ再生の原動力。
おそらく日本のエネルギー政策も、いや政治も、いやいや経済もその局面を迎え ているかもだ。滅びゆく者の姿は美しい、というのはここでは撤回。
飛行機の中で読んだ「禅の世界」がよくなかったか。 驚いたことに、ムッホはそれを「貸して」と、むさぼるように読んでいた。 「ジョブスのスピーチを、禅の世界観で解説しているのが面白かった。」 「・・・・・・・」 まじかい?
さて北京空港。 ずいぶん遅れた飛行機を北京のスタッフは、ずっと待っていてくれた。とにかく バゲッジを受け取るまでに歩く距離は、ちょっと異常だ。 飛行機が着いたスポットはターミナルの中央付近。そこから延々と歩く。歩いて 歩いて入国したと思ったら、またまた歩いて歩いてシャトルに乗る。それを降り るとまた歩いて歩いて、バゲッジを受け取る。 なんとも巨大空港はヒューマンフレンドリーとはいかない。。。 これからはハブ空港じゃなくて、小さなリージョナル空港の時代が来ますよ、絶対。
にしても中国の巨艦主義は、いかがだろう。 とにかく大きいほうが偉いのだ。 いやどうも中国だけではあるまい、世界もあいかわらず巨大建築物ブームかも。 日本も、どこかまだそれを感じているのか。 スカイツリーに喜んでいるのは、なぜだろう。 ひとより高いとか勝ったということがこんなに嬉しいんだろうか。 「優越」 という言葉は、何か本質を見失っている。もう古い古い。 これからは「僭越」でいこうとおもう。
まことに僭越ですが、ぼくの持論をまた。
鳥の巣をモチーフにした件の北京オリンピックスタジアムの近くにホテルがとってあった。ボクは北京飯店をオーダーしていたのにぃ。
そのスタジアムはオリジナルのデザインは秀逸だったが、鉄鋼の量が半端じゃない!という理由でデザインは台無しになった。 「それなら、竹で作れば良いのに。。」 さすがにその発言はスルーされた。
黄砂のひどいかすんだ北京は、ライティングでブレードランナーの世界のように見えた。流れる夜景を見ながら2050年くらいの世界を夢想した。 日本が25%ほど温暖化効果ガスを減らすという目標のころだ。 それでも太陽の磁極の関係で、どうも20年くらい前(2030年くらいね)まで寒冷化がひどくて、5月になるのにまだ氷点下の気温が続いている。 世界はガソリン車をあきらめたが、中国はまだ走らせている。 リチウムは中国最大の外貨獲得の商品になった。 北京は4000万人都市だ。 21世紀も半ば、未来はあまり明るくない。 だいたい20世紀を生きた人間たちのせいだ、そういう論調が中心となっている。
そもそも農産物のプロダクティビティは、2010年ころの40%にまで落ち込んでいるというのに世界人口は100億を軽々と突破して全人口の60%つまり60億人が栄養不良か飢餓に苦しんでいる。40年前に起きた原発事故以降、次々と事故を誘発し、おまけにテロ攻撃を受けた。
ああ、いかんなあ、こんなことを考えていては明るい未来はやってこないかもだ。 北京ダック食べて、アワビ食べて、火鍋食べて、高粱酒飲んで、ああああ・・・ はやくゴビ砂漠に走りに行こう!!
今年もとっておきのスペクタクルを用意しておくことにするね。
今日の一枚
北京の発表会場は、野趣にあふれたアフリカンテイスト。
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