Organisation Voice 2013/06

 

 

2013/06/27 (木曜日)

「いまさら、モンゴルへの憧憬」

ボクはモンゴルの地形は、ヒマラヤ山脈に端を発する大造山活動の皺(しわ)でできていると思ってる。ベッドのシーツをことら側(インド洋側)からグーッと押していくと、すぐ近くには皺が高く立ち上がる。これがヒマラヤとパミール高原だ。そしてその先は少し凹んで、これがタリム盆地。ベッドのシーツの皺はさらに先のほうへ、少しずつ距離を開けながらそれでも時折、皺を山脈のように作っていく。つまりモンゴル高原は、シーツが持ち上がって、それぞれ東西に寄った皺で山塊が出来ていると思う。

山塊は時に4,000mを越えているが大地の広がりと、そもそも大地が1,500m位の標高があるものだから、それほど大きいとは見えない。
その北側には湖ができやすい。山に降った雨は北側が比較的乾燥が少ないのだろう。それとモンゴル中部のハンガイ山脈に降った雨が、一気に南に進んで山塊の南に水たまりを作るからだろう。大きな湖もあるが、北部のシベリアの森の湖と比べ水量は不安定だ。

もうひとつ面白い現象がある。大きな山塊は、北に湖を抱くが、春になると西風が吹き大量の砂が運ばれてきては北斜面で渦を巻くようにして北麓に降り積もる。
こうして山と砂丘と湖、それに草原というサハラなどの常識を覆す複層的な景観を生み出す。
湖に浮かぶ砂丘、といわれるものはこうして作られていく。そして地球の皺はこのあとはシベリアに広がり、巨大な森林地帯を形成していく。
タイガの森は豊かな恵みをもたらす。
そもそもタイガとはロシア語で針葉樹のことだ。

タイガの森は、たくさんの水を抱き、大きな川を生み出していく。ボルガなどロシアを貫く川はどれも瀬戸内海かと思うほどだ。

さて、モンゴル。
この国が、そんな地球の皺の間からひょっこりと顔を出して、世界帝国を築いたなどとはどうしても考えられない。しかも好戦的で残虐で、ユーラシア大陸を震え上がらせたなんて。。。
なにがそうさせたのだろう。
この地を旅しながら、いつも考え、いつも考えがとん挫する。

チンギスやオゴティやフビライが、本当に世界征服を考えていたのかは、当時の世界観から見ても見えてこないのではあるまいかと思う。
草原に住んで、わずかばかりのシルクロードを渡る旅人たちから得た情報のみで、どのような世界観を築いたのだろうか。

草原にたたずむほどに、何もわからないことを知ることができる。
そう、結論は「なにもわからない」という事だ。ただの地球の表皮の皺ほどのこともない。

 
 
2013/06/18 (火曜日)

「FA-coat Rally Mongolia 2013、カウントダウン!!」

試走も終わり、いよいよ船積みのタイミングとなりました。今回のエントリー状況は日本人のバイク参加者が少なく、その分を韓国勢とスゥエーデン人らで上回るという事になりました。モンゴル勢は、先のダカールの2人が出場したことも手伝って国内では大人気!!多くのライダーたちが参加を進めています。

そしてルートのプロフィールですが、試走のノートに落書きしているコメントをいちおう紹介します。

ETAP-1「まるで草原の道コレクション。ナビも容易で、見事なさまざまな草原を繋いでいく。」まあこんな走り書きをまとめてルートプロフィールにしていくのです。

ETAP-2「スタートすると目の前はデューン!CAPで登り、かすかなCP隊が遺したトレースを見つける。そのあともナビは複雑で、道なき道を砂に向かって。風景はまるでお伽の国にいるよう。この世のものとは思えない美しさが前半」少し感情が高ぶって書いてるとしか思えませんが・・・「途中の寺院が凄い。林のような谷を抜けてナビが難しいが、古刹に驚きながらCAPチェンジ」と続いてる。

ETAP-3「朝からスガワラ峠に挑む。いつもながら感動的な世界。RCP以降はゴビハイウェイ。距離は降るレンジを超える。560qをゴールにして給油そしてリエゾンでビバークへ。」

ETAP-4「わずかな距離のループ。湖を時計回りに一周。短いが面白い。スタートは正午にするか?」そんなこともメモられている。

ETAP-5「ゴビのダイナミズム。さまざまな姿のゴビに遭遇する。」南ゴビを西から東に向けて高速移動。

とまあそんなふうに綴られてる。ETAP6以降は、またホンチャンのルートプロフィールとかインフォメーションとかで確認してください。

総じて、素晴らしいルート設定だと自信を持っています。