「春から初夏へ。」
桜も盛りを過ぎれば、四国は初夏の様相。山々に野生の藤が咲き始めます。その渓流の対岸の中ほどに咲く藤の花が、誰の手にも届かないゆえの美しさを誇るさまは。さらに山々には栗の花が高い枝先に薄黄色の花をつけ、あたりの新緑をさらに引き立てます。
清流はいっそう清冽に流れ、山々を貫いて走る林道群は、やたらと挑発的。とまあこれらは、ぼくのTBIの記憶。
1989年。実はパリダカが興った10年後。そのTBIはその足跡を記しました。
前年、4台のモーターサイクルと2台のランドクルーザーでパリダカに挑戦したわれわれは、その前後を含め日本人のMOTOの選手が全くこのラリーに歯が立たないことに意を強くしていました。
なにもそのラリーに、そこまでこだわることもなかったもでしょうが、日本に帰るやすぐさま、TBIの制作に取り掛かりました。
まず手掛けたのが、もちろんラリーの運営の準備ですが、それよりもマップホルダーの製造でした。
アルミのラジオ用のシャーシを買っては、パーツを組んで。 毎回のイベントごとに50台くらい販売するのです。 この行為から様々なものが見えてきました。 それがTBIやモンゴルへとつながっていきます。 24年目となったTBI。間もなくです。 風景も心も何も変わりませんが、少しずつ道路がよくなり高速道路が伸延して、あのつらい国道439も、何事もなくなりつつあります。
もっとガラパゴスのままで良かったのに。なんていうものだから、疎まれたりもします。 便利になるということは、どのようなことなのか? よく考えるようになりました。 ともかくTBI まもなくです。
ドイツからの参加者もいて、きっと楽しい2000qの旅になることは請け合いです。
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