=犬に噛まれた話し=
バイクに乗っていると、犬って通り過ぎてから後ろから追いかけて来ますよね?何で決まって後ろからなんだろう...。正面切って襲って来る勇敢な犬はいないのかな???
36年ぶりに日本で発症した狂犬病。狂犬病は発病すると、ほぼ助からないんだそうです...。今回おきた事例は、2件ともフィリピンでの感染ですよね。
日本では無縁な狂犬病ですが(徹底的に野犬対策をした結果、1957年以降の国内発病が無いのです。1970年には、ネパールで噛まれた人が、帰国後発病した例があるそうです...)、実は、欧米を含む殆どの国で発病していると考えて良いのだそうですよ。しかも犬だけではなく、全ての哺乳類から感染するらしく、年間4万人〜6万人が死亡しているんだそうです。
実はボクも数年前(6〜7年前ぐらいかな?)、フィリピンで子犬に噛まれて狂犬病の疑いを持たれ、大変な体験をしたのです...。
それはホームステイ先での出来事。
当時のボクは、バックパッカーのような生活をしていて、首都のマニラからもバスで1時間半くらいの田舎にある友人宅で、1ヶ月近くお世話になっていたのです。その家には、生後数ヶ月のとってもカワイイ子犬達が何匹もいて、よそ者のボクにもとってもなついていたのです。
事件が起きたのは、日本へ帰国する4〜5日前。
いつもなら容器に入れて与えるエサやりを、かわいさあまりに、手で与えていました。よっぽどお腹がすいていたのか、一匹がボクの手をガブリ!!
指先を噛まれて、血がダラダラ...。
その家には消毒液が無く、フィリピンでの民間療法なのか、フィリピン語(タカログ語)しか話せない友人のお姉さんが、ココナッツで作った酢と、つぶしたニンニクを小皿に入れて、小皿に傷口を押し当てて消毒しろ!とのジェスチャー。
コレがキズに“しみる”のなんの。激痛!
数時間して、日本語が話せる友人(メイ)が帰って来ると、和英の辞書を引っ張り出して「フィリピンはコレ大丈夫なの?」と狂犬病のワードを指さしたのです。メイがお姉さんにタカログ語で通訳。お姉さんの返事に、メイはビックリした様子でボクに「あなた、死んじゃうかもしれない!」と言い出したのです......。
なんでも、マニラなど都市部で飼われている飼い犬の殆どは、狂犬病の予防接種は受けているんだそうですが、あいにくお姉さん家の犬(親犬)は予防接種はしていない。ましてや子犬になんて...。
お姉さんは、「大丈夫、ウチの犬は心配ない!」と言い張るんですが、そんな根拠はドコにもナイ!でもフィリピンの病院は衛生的にも心配...。
翌日メイの説得で、マニラの総合病院へ行ったものの、注射は断って傷口の治療だけに留めておいたのです。日本へ帰国したら、必ず直ぐに医師の診断を受けるよう、ドクターに指示され帰国しました。
日本へ帰って近所の総合病院へ電話すると、事の一大事を実感。なんでも、日本では何年も狂犬病が発病していないので、治療できる病院がナイのです!(治療方法を知っている先生がいないって言った方が正しいかな?)
いくつかの大学病院に電話しても、「ホントですか!?」と内線でアチコチに回された挙句、ウチでは治療できません...との回答。紹介を受けた大阪の病院や、九州の病院にも電話をしましたが、結局治療が不可能。
「元・海外青年協力隊に知人がいる!」と友人が調べてくれ、結局行き着いた先は、東京駅の近くにある“日本検疫協会”が実施している予防接種所。電話すると、医師があわてた様子で電話にて問診。
「熱はありますか?」「水は怖いですか?」
『あっ。微熱が数日前から...。水は怖くないです』
医師から「今日の予定は全てキャンセルして、直ぐに診察に来るように!」との指示が...。 ナニナニ??? そんな緊急事態なの???
子犬に噛まれたキズ口は、とっても小さくて、既にかさぶた状態。それでも破傷風の注射をし、狂犬病予防接種用の注射をしました。
「いいですか? これは、私の家の電話番号。何か体に変化が現れたら、夜中でも構わないから電話しなさい。もし私が家にいない時は、ここの病院の○○教授宛てに電話をして事情を話しなさい。」
『先生。そんな深刻な事態なんですか?』
「そうですよ! 狂犬病の症状が現れたら、あなたは助かりません」
『えっ!?』
医師の説明では、予防接種用の注射はあくまでも噛まれる前の薬。でも、大昔に狂犬病が無くなった日本には、狂犬病に有効な治療薬が無いんだとか...。発病後の死亡率はほぼ100%で、治療法はない事の説明を受けたのです。方法は発病を防ぐしか無い。発病を防ぐ為に、決められた短期間に、全部で6回の注射を行う説明も受けました。
「私も心配だから、フィリピンの友人に毎日電話をして、犬の様子を観察して下さい。犬がよだれを大量にたらしていたり、フラフラしているようだったら、狂犬病の症状です。あなたも感染しているかも知れません。犬が2〜3週間しても元気なら、狂犬病の心配は無いでしょう。」
それから毎日、フィリピンに電話。約5日後、犬が出掛けたまま帰って来なくて、行方不明という事態に・・・。
結局ボクの場合、最悪の結果には至りませんでしたが、同じ時期にネパールに行っていた友人も、チベットに行っていた友人も犬に噛まれて地元の病院で治療していた事が発覚。
いましたね。犬好きなのに噛まれちゃう仲間が...。
でも殆どの国で発症しているワケだから、やっぱり海外に行く場合には、事前の予防接種がベターですよね。それに狂犬病ウイルスはとっても弱いウイルスらしく、万一噛まれた場合は、直後の水洗いと、消毒液やエタノールでの消毒でがとても有効なんだとか。そしてすぐにワクチン接種も開始する必要があるそうです。
特に発展途上国で噛まれた場合は、WHOが推奨する日本では入手不可能な薬が置いてある場合もあるので、やっぱりその国での適切な治療がベストみたいですね。
ボクの場合も本来なら、滞在先のフィリピンで、直ぐにワクチン接種すべきでした。消毒液じゃなかったけど、酢とニンニクの民間療法も良かったのかな?
お姉さんには、感謝しなくっちゃです!
※狂犬病の世界分布図など、狂犬病情報は、
国立感染研究所 感染情報センターご参照
【http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_18/k03_18.html】
(写真上)
10月に開催された「La Festa Mille Miglia 2006」。
テレビ朝日で、12月17日AM3:10〜4:05に放送される予定です。
※“スパブログ”も見てね!
【http://spataro.cocolog-nifty.com/blog/】 |