先週末、関東では温泉場として超有名な場所で仕事があった。温泉町の町興しイベントの"桜まつり"の一環としてお笑い芸人を呼んでのライブだ。ボクはその司会者&前説としてお声がかかったワケ。でも温泉場だけに、お笑いと言っても年配向けのお笑いなのだ!
あした順子・ひろし、ナポレオンズ、いっこく堂などなど。
まっ、仕事はボクのつかみも良く、ノリノリで楽しく、うまくいったんだけど、ちょっと驚いたコトも。
その温泉場、場所も遠いので前日入りの電車の特急券を手配して貰ったんだけど、天気も良いしキャンセルして、バイクで行くことに。いや~、気持ちいい!走りながら、これからウマいもん喰って、温泉入って、こりゃ贅沢な仕事だ・・・と甘んじていたボク。ところが、温泉に入ってガッカリ・・・。名前に"スパ太郎"を名乗るボクは、スパゲティと、温泉(スパ)には騙されないゾ!
超有名な温泉場だというのに、循環だったのだ。しかも脱衣所には温泉の効能を謳っているにも拘わらずだ!
こりゃ去年問題になった温泉サギじゃないの?もっとヘンだったのは、脱衣所のロッカー。あまりにもヘンだったので写真撮っちゃいました!ね、このロッカー変でしょ?
何の為に鍵ついてんのかなー?
名前は言えないから、この情報だけ教えますね!
N 36°49'23.4"
E139°43'15.9" に位置する有名ホテルです。
(※カシオ・プロトレックにて計測)
■「タイで発見!? スパ太郎の
実録・盗難バイク奪還劇!!」
(7ヶ月に渡る バイク奪還までのドキュメンタリ)
=前回までのあらすじ=
バイクが盗まれた!
しかも2ヶ月の間に合計3台が...。冗談じゃない!!年間25万台が盗まれている現状を知ったボクは、バイク捜索活動を始め、昔盗難をしていた...という業者がその場所を案内してくれたのでビックリ!!!
第8話 『やっぱり盗難してるんだ...!』の巻き
ロケバスに戻るとみんな一斉に口を開いた。「今のオジさん何者?」「絶対盗難やってるよ!」「すげえ!大スクープだよ!」「それにしてももの凄い数だったな」車で一人待機していた女性ADが、一人きょとんとしている。『いったい何があったんですか?』
ともかく太陽が沈む前に、さっきオジさんが案内した場所に「もう一度行こう!」となった。ところがスタッフ全員が道を覚えていないのだ。
結局ボクの"記憶"と"感"だけが頼りとなったのだが、日頃からの"ラリー"や見知らぬ土地の"旅"好きが講じたのか、なんなく一件目の場所に到着。そう、最近"ガサ"があった・・・という例の場所だ。
鉄の壁に覆われていて中の様子は見えないので、ロケバスの天井に登ると、ようやく一部が見えた。「おお!すげぇ!」BMW、メルセデスベンツなどのあまり程度の良くない高級外車が5台程放置されている。広い敷地の左側には、プレハブが数棟建っているが、人けは無い。摘発以来、エサを貰っていないのか、痩せこけた犬が吠えながらやってきた。
吠えてうるさいので、パンを千切って投げ入れ、次のポイントに行くことにした。
次はバイクの業者だ。
『おぉ!まだやってるよ!』スモークが貼られたリヤシートでカメラが廻りだした。そう、まだ外国人が作業をしていたのだ。イラン人かインド人か?
どこか中近東っぽい感じもする大柄な外国人が、トラックからバイクを降ろしたり、降ろしてあったバイクを違うトラックに積んでいたりする。バイクの車種までは確認できなかったが、ロードバイクもオフ車もあった。周辺に停まっているトラックのナンバーをディレクターが読み上げ、ADが次々に控えていく。埼玉県北部の熊谷ナンバーじゃないトラックも多い。横浜、多摩、千葉。いろんな地域からバイクが集められているコトがわかる。ここでも犬が吠え始めたので退散して次のバイク業者の所へ向かった・・・。
ボクの記憶は次々にドンピシャリと的中!
今度は少し離れたポツンポツンと田んぼの中に3軒ほどあるバイク業者だ。少し暗くなってきたので車から降りて歩いて様子を観察してみた。さっき見たときはカブや古いバイクばかりだったので、正規ルートの業者かな?と思っていたのだが、その思いは直ぐに撤回された。
そこらじゅうに放置してあるポンコツの4輪車の中には、ヘルメットが沢山転がっていたからだ。それにしてもスゴイ数。撮影用のライトで中を照らして見てみると、全てのメットのアゴひもが切り取られていて無い。
状況から考えられる理由は1つ。
推測1
ヘルメットホルダーにぶら下がっていたメットを、アゴひもの部分で切った。そんなコトをする理由も1つ。
推測2
ここに運ばれてきたバイクに、ヘルメットが付いていたナゼ運ばれてきたバイクにヘルメットが付いているのか?
推測3
正規に買ったバイクではなく、盗難されたバイクだからである...。そう言い切ってしまうが、このもの凄い数のヘルメットを見ると、この推測しか思いつかないのだ。それにしても、それだけスゴイ数の盗難車両が、ここへ運ばれてきたのか・・・?
ここにもプレハブがあって誰かが住んでいるようだ。近づくと犬が激しく吠え、犬の声でガラガラとドアが開く音がしたので、そそくさと引き上げることにした。
どこも番犬がいるんだな・・・。
もうすっかり暗くなってしまい、他の案内された場所には寄らず、オジさんから聞いていた別の国道沿いの大きな業者を最後に偵察する。ちょうど東京に帰る道すがらにあって、「外国人が、かなり大掛かりにやっている」という情報だったからだ。
一度前を通り過ぎてみると、その情報どおり。今まで見た中でもかなり広い土地。高い高い鉄の壁。中ではこうこうと照明が照らされて、数人が作業をしている。ゲートの隙間にはトレーラーが見え、オートバイを積んでいるようだ。その裏手には更に沢山のオートバイが沢山積み上げられている。
偵察をするのに、ゲートの真正面にあたる、田んぼの中のあぜ道にロケバスを停車させる。かなり遠いので向うから肉眼では見えない。だからこちらも双眼鏡で観察を続ける。カメラマンは、表で三脚をたてて望遠レンズに変えてその様子を撮影している。その間にもゲート横に停まっていた数台の大型のトレーラーが、一斉に動き出した。30分程してカメラマンが『またトレーラーが動きますヨ!』と叫んだ。今度は車でトレーラーの追跡を開始。「えっ!?
新潟ナンバー!?」そのトレーラーは関越道に乗り、新潟方面へ走り去った。
「トレーラーに満載したバイクを新潟港から海外に運んでいる・・・。」ボクらの推測はこうだった。
それにしても、今日1日で何て進歩だ。聞き込みからはじまって、元・盗難業者のオジさんとの遭遇。そして現在も盗難をやっている業者の確信。
今後もこの埼玉北部のR市を中心に、ボクはTV取材陣と何度も足を運ぶコトになるのだ。そして、東南アジアに住む日本人から、貴重な情報を入手するコトになるのだ。
=つづく= |