| 
                                     
                                    ■「タイで発見!? スパ太郎の 実録・盗難バイク奪還劇!!」  
                                    (7ヶ月に渡る バイク奪還までのドキュメンタリ) 
                                    
                                    
                                    =前回までのあらすじ= 
                                    2ヶ月の間に合計3台バイクが盗まれ、自力での捜索活動を開始してから5ヵ月ちょっと。盗まれた1台がタイ北部のチェンマイという街のバイク屋に並んでいるというじゃないか...。番組スタッフとタイへ乗り込んだノダ!! 
                                     
                                    
                                    第19話『いざ、チェンマイへ!』の巻き 
                                    
                                    さあ、今日はいよいよバイクがあるとされる、チェンマイへ飛ぶ日だ。ちょっと緊張してしまう。目覚めもバッチリだ!! 
                                    
                                    バイクは本当にあるのか!? 
                                    取り戻せるのか!? 
                                    危なくないのだろうか!? 
                                     
                                    スタッフとホテルのレストランで朝食をとって、コーヒーを飲みながら今日の打ち合わせ。 
                                    「エッ!?直ぐには出発しないんですか?」 
                                    『飛行機は、夕方にチェンマイに着く便を押さえましたから』 
                                    「夕方ですか!?」 
                                    『色々と準備があるので、午後に出発しますから、スパさんはホテルで休んでいて下さい!』 
                                    
                                    どうも調子が狂う。バンコクからチェンマイまでは飛行機で1時間ちょっとだというのに、昨日の夕方からボクはホテルに缶詰状態なのだ。バイクはチェンマイのバイク屋の店頭で売られているのだ。いつ売れてしまうかわからない状況だというのに...。 
                                    
                                    やることが無いので、部屋に戻って通算6回目のバスタイム。ここはバンコク中心部にある、長期滞在型の高級感漂うアパートメントホテルで、部屋がゆったりとしている。中でもバスルームは高級感漂う作りで、一番のんびり出来るスペースになっている。これで1泊\4.000-程。 
                                    
                                    今回、番組スタッフと行動を共にするというコトで、飛行機代、宿泊代、スタッフと共にする食事代は番組持ちだ。自費で安宿泊まりを想像していたボクには、とても有り難いことだ。でも反面、スケジュールを番組スタッフに合わせなければならず、いつ売れてしまうかわからない状況だというのに、イライラするコトも多い。 
                                    
                                    実は、日本を出る日程も番組スタッフに合わせた為、1週間ほど待つことになった。そして今日もコレだ。世間一般に、盗難バイクの現状を幅広く報道して貰いたい気持ちと、でも個人的には急がないと...という気持ちが交錯し、ストレスになる。しかも驚いたコトに、ボクが日本に帰る飛行機チケットは、スタッフ達よりも先に早く帰る便を押さえてあるのだそうだ。撮影スケジュールと予算の問題とかで、そうなったらしいが、だったら、ボクだけ自費で安宿でも良かったのに・・・。 
                                    
                                    よってチェンマイへの滞在日程は、今日の夕方から明々後日の昼まで、たったの4日間。丸々動ける日は明日と明後日の2日間しか無いのだ。ディレクターの考えでは、「バイク屋にあるんだから交渉して取り戻せる」と簡単に考えているようなのだ。 
                                    
                                    そう、うまくいけばいいけど...。 
                                    
                                    ホテルの強めのエアコンの影響なのか、6回目の入浴のせいなのか、ボクの肌はカサカサ。出発時間になって、ほぼ24時間ぶりにホテルから出ると、車に荷物を積み込むだけだと言うのに、バンコクのうだるような熱さで、直ぐに汗でベトベトになった。 
                                    
                                    飛行機がチェンマイの上空を旋回する。席は窓際ではなかったが、人の隙間から小さな窓の外が気になる。大きく傾いた時、チェンマイの有名な大きな堀が見える。例のバイク屋は堀の目の前にあるらしいのだ。 
                                    
                                    『ようこそ、チェンマイへ!』Kiyoさんが空港で、笑顔で出迎えてくれた。 
                                    『数日前から、バイクが1台しか見当たらないんだよ!』 
                                    
                                    そう、以前のKiyoさんからのメール情報では、シルバー/オレンジの、同じ型のBAJAが2台店にあるハズなのだ。 
                                    
                                    ボクは直ぐにでもバイク屋へ向かいたかったのだが、スタッフの指示で一度ホテルへチェックイン。ホテルは事前にスタッフへお願いし、バイク屋から近めの場所を用意して貰っていた。 
                                    
                                    これまた立派なホテルだ! Kiyoさんも『こんなスゴイとこ泊まるの!? 
                                    チェンマイでも高級なホテルだよ!』カメラ機材なんかもあるし、盗難グループがどんな集団かもわからないので、セキュリティを考えるとこの手のクラスになったのだそうだ。 
                                    
                                    さっそくKiyoさんも交え、ホテルの部屋でバイク屋の場所を確認する。Kiyoさんはこっちに住んでいる方で、今回のことで色々な迷惑が万一降りかかってもいけないと、バイク屋の場所情報を提供してくれるだけになっている。 
                                    
                                    スタッフは『明日バイク屋に行こう!』と言うのだが、ボクはどうしても待ちきれず、「今日行きたい!」と言い張った。なんとかボクの主張が通り、バイク屋が閉まる前に前を通りかかって、ロケバスの中から様子だけ見に行くことになった。 
                                    
                                    『そこそこ、そこのバイク屋!』同乗したKiyoさんが説明する。シルバー/オレンジの、同じ型のBAJAが2台店にあるハズなのだ。目を凝らす。 
                                    
                                    驚いた!! 
                                    アフリカツイン、ドラックスター、マジェスティー、シャドー、ピカピカの日本のバイクが沢山展示されている!車は店の前で減速したが、あっ!というまに通り過ぎてしまった。「BAJAは1台しかなかった気がしますね」『オレも1台しか見えなかった』 
                                    
                                    店にあったのは、ボクのBAJA? 
                                    でも、もう1台はドコへ行ってしまったの......!?  
                                    まさか、ボクんじゃないよな〜。 
                                    
                                    =つづく= 
                                     |