ども!近藤スパ太郎です!!今回からメルマガで登場しますんでヨロシクおねがいしま〜す。でもこのSSERのメルマガ、人気投票で優勝者が賞金総取りって形らしいんですよ。『じゃあ優勝しない時はノーギャラなんですか!?』「スパちゃんなら、いつも総取りでしょ!」『えっ!?マジですか・・・?』オダテに弱いのは、タレントのサガでもある。豚もおだてりゃ・・・って、オレは豚と同じじゃないか~ッ!
よーし、そういう事情ならギャラを総取りしてやるぞ!とかなり本気モードのボク。でもSSERには、既に人気"読み物"が沢山あるじゃないか!ウゥゥゥゥゥゥッ~!これじゃ勝ち目がないよな~。それじゃあ、あのとっておきのネタを・・・。のっけから勝負だ!
そう、SSERのイベント参加中にも、沢山のライダーから質問された、ボクの体験談の中でもとっておきの話『盗難バイク奪還』の話から始めるとしよう。
「タイで発見!?スパ太郎の 実録盗難バイク奪還劇!!」
第一話『大変だ! バイクが盗まれた!!』
愛車が消えた・・・。最初に起きたのは、今からさかのぼるコト4年前。2001年の春だ。後から知ったのだが、当時年間に登録されるバイクは75万台。盗難され被害届けが出されるバイクが25万台。つまり3台に1台は盗難されていたのだ。今はもっと少ないでしょ。それはもう過去の話だよ、と安心は出来ない。今だに年間20万台近くが盗難被害にあっているというデータがある。
あなたの愛車も、ボクの愛車も、盗難のターゲットになっている可能性があるのだ。誰もがそうであるように、ボクの「まさかっ!」も突然起きたのだ。
雨がようやくあがり、ロシアンラリーへの出発を明日に控えてプラっと外に出た。「あれっ!?」全て準備の整った愛車のXRバハが無いのだ。「あれっ?ドコかに置いてきたかな?いや、昨日の夜は飲んでないし・・・」最初はそんな感じだった。都内の事情から、当時住んでいたアパートには駐輪場が無く、家の前の小さな公園の隅にとめていたのだ。住宅街の小さな公園は、夜には街灯もつくし、万一いたずらされれば、近所の人の目にとまるだろうと思っていた。その場所には同じような境遇のセロー、ゼファー、CB、スクーターなど数台がとめてあった。昨日は雨で乗ってないか・・・。その前の一昨日は小金井のストラーダでセッティングを終えて、夜ココに置いたのが最後だ。そうだ、その時に雨が降り出したんだ・・・。と、だんだん記憶の糸がつながってきた。「ってコトは、ん?誰かが動かしたかな?」と、まだ盗難には気づかない。事実を飲み込むまでには、意外にも時間が掛かった。「あれっ!?」もう一台の愛車CRM-ARも無いコトに気づく。「何でオレのだけ?他のバイクはあるのに・・・」その後はパニック状態。「無い、無い、何で無い?」興奮状態で交番に駆けつけるが、2台の被害届けの書類を書く手が震え、警官に説明する声も震えている。「あっ、明日ロシアンラリーに行くバイクが無いゾ!」と、大変なコトに気がついた。「ロシアンラリーって川渡り多いんだろ?じゃ、オレのモンキー貸してやるよ。川渡る時に担げるよ」と、こんな時に、有り難いお気持ちを頂いた"バカ友達"もいたのだが、新車登録が間に合ったので、新車のノーマル"バハ"で行く事にした。
ロシアから帰国後、新車のバハは自宅では無く、直ぐ近所(徒歩30秒)の友達のアパートに置く事になった。駐輪場が整備されていて、固定物にバイクとワイヤーで繋ぐ事が出来るたからだ。それにしても2台同時に盗まれたショックは大きかった。まさか自分のバイクが盗まれるなんて・・・。
あきらめ切れないボクは、所轄警察の捜査担当者や広報担当者、ジャーナリスト達に接触する。年間25万台盗まれている事実を聴かされたのはこの時だ。知り合いのTV報道関係のスタッフにも今回のコトを話した。だが意外にも毎日のニュースを扱う人達が、年間沢山のバイク盗難被害がある事を知らなかったのだ。「警察が我々にバイク盗難の情報公開をしてないんだよね~。買い物帰りのオバちゃんが財布盗まれたりしたら、情報流すのにね~」1台50万円のバイクが年間25万台も盗まれたら大変な金額でしょ?警察や国は何で情報公開を大々的にしたり、大きな問題として取り組まないんですかね。
当時、殆んどそんな報道がされていない現状に、少しでもマスコミに近い立場にいるボクは、被害者の一人として、盗難バイクの現状を世間一般に知って貰う必要があるんじゃないかと思うようになったのだ。「ん~、でも番組で取り上げるには、犯行現場の映像が撮れないとね~。ちょっと考えてみるよ」イマイチ感触が良くなかった。。。。。
バイクが盗まれて2ヵ月後の金曜日の夜。道端でバイクの整備を終えて片付けていたボクは、「深夜に何やってるんだ!」と、警察官2人に職務質問をされた。所轄警察署に赴いて、副所長じきじきにパトロール強化をお願いしたからだろうか。すぐ横の表通りになる"井の頭通り"でも、パトカー2台が自転車やバイクをとめて、大掛かりに職務質問をしていた。
だがこの直後、また事件は起きたのだ。職質後、駐輪場にバイクをとめて、ワイヤーロックで施錠したのが深夜2時すぎ。ボクは床についた。翌昼過ぎ、1週間後に結婚式を控えたボクは、もうすぐ妻になる彼女を後ろに乗っけて、一緒にバイクで会場に打ち合わせに行くことになっていたのだ。
彼女と駐輪場に行くと、またもやバイクが消えている・・・。この前のコトがあったから今度は冷静だ。友達が降りてきて、「えっ、スパちゃん早朝にバイクで出かけたのかと思ってたよ。朝4時半過ぎに帰ってきた時は、バイク無かったからねぇ」
冷静に昨夜のコトを振り返る。バイクを駐輪場に置いたのが深夜2時すぎ。友達が帰ったのが4時半。しかも2時頃には、直ぐ近くで職務質問の警官が沢山いた。たった2時間半の間に、またしてもやられたのだ!!
駐輪場の入り口にはW650とゼファー、バルカンが停めてあって、昨夜のままだ。動かした形跡は無く、この2台が邪魔をして、一番奥に停めてあるボクのバハは、例え動かしたとしてもハンドルロックをしたままの状態では、運び出すのは不可能なのだ。駐輪場と道路の間には植え込みがあって、しかも1m程の段差がある。唯一可能とすれば、クレーンなどの重機を使えば直ぐ横の道路に持ち出せる。見ると植え込みの枝が折れているじゃないか・・・。そして道路にはサイドスタンドなのか、金属でつけたようなキズが沢山あった。
個人ではない、組織的な犯行の可能性が高いと直感したボク。しかも2ヶ月に3台も盗まれた。尋常じゃない。ショックどころか、犯人に対する怒りがこみ上げてくる。少なくともボクにとっては大事な大事な所有物なのだ。ニュース番組のプロデューサーに電話を入れた。「またヤラれました!もう、許せません!番組が盗難バイクの取材しなくても、ボクは独自に捜査取材しますから」その日の晩から自転車に乗って木刀を持って、独自のパトロール捜査を始めた。その後ろからTVクルーがボクのパトロールを追いかけてくる。一番怪しいのはボク達ではないか?
そしてこの後、あんな出来事が起きたとは、誰も想像ができなかった・・・
=つづく=
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