SSERの皆んなが、北京-ウランバートルで楽しんでいる間、ボクは南の島「Bali島」を満喫していた!!ライダーであるボクはBaliでもモチ、バイク移動!Baliでは1日\300-~\500-で、地元のバイクが借りられる。Baliは南半球だから今は"冬"。地元のライダーはよっぽど寒いのか、革ジャンを着て走っているが、日本人のボクはTシャツでも暑い!!
6年ぶりのBaliだったが、以前よりも交通量も増え、バイクも車も新しい物ばかりが走っていた。今じゃ2ストの煙いバイクはあまり走っていないコトに、とってもビックリした!!車では、何度もBali島1周はしているが、いつかバイクで走ってみたいな〜。
Baliでのジモティ家族は4人乗りが基本。我が近藤家もBali風に3人乗りが基本となった。こんな2人乗り出来るスパーカブみたいなバイク、日本でもあればいいのにネ!
バイクデータ:HONDA Karisuma125cc
とにかく実用度としては抜群!!足元のちっちゃなキャリアに、色々荷物を固定出来ちゃう。サーフボード片手に、スーパーで買出しした食料片手に、ラクチンラクチン。
■「タイで発見!? スパ太郎の
実録・盗難バイク奪還劇!!」
(7ヶ月に渡る バイク奪還までのドキュメンタリ)
=前回までのあらすじ=
2ヶ月の間に合計3台バイクが盗まれ、自力での捜索活動を開始してから5ヵ月ちょっと。盗まれたバイクがタイ北部のチェンマイのバイク屋で発見された。バイク屋に乗り込むと、ほんの1週間前にBAJAが売れてしまった...というのだ!!
マジかよ!!!
第22話『盗難バイクのカラクリ』の巻き
店長がデンマーク人に売った時の書類をファイルから出して、通訳とディレクターに説明している。横でカメラマンがBagの中に仕込んだ隠しカメラで様子を撮影している。表向き上、カメラマンを含めた3人は"ボクの友達"という設定になっている。
そのやり取りは、無線で飛ばされた会話を、ロケバスになっているワゴン車の中で、同行の私服のタイ警察の人が聞いている。一応は守られている形にはなっているが、店長と通訳は激しいやり取りをしている・・・。
「タイじゃ人を殺すの安いから・・・」
と言っていたタイに住む友人の言葉を思い出すが、タイ語がわからず、やりとりを横で見ていても、殺気立った様子は最初だけだった・・・。
いや、むしろ今は店長が観念したかのように、また自分が盗難には携わっていないコトを力説するかのように、懸命に書類を指差しながら話している。
数十分横で見守っていただろうか?
ようやく通訳が、店長とのやりとりをボクに説明をし出した。内容はこうだ!
店長は盗難バイクとは知らなかった。盗難グループとも全く関係ないと言っている。ボクのバイクは5月の下旬くらいに、今店に残っているBAJAと一緒に、2台のBAJAをバイヤーから購入した。ずーっと2台が店にあったが、ほんの1週間ぐらい前になって1台が売れた。ボクの方のバイクだ!!買ったのはデンマーク人の"ピーター"という人。
店長が、ボクに店に残されたピーターのパスポートのコピーを見せてくれた。店のFAX機で取ったコピーなので顔はベタっと黒くボケでいるが、痩せていて長髪でヒゲを生やした、いかにもバックパッカーとう感じ。背も高いらしい。
ピーターは買う時に「チェンマイから更に北の方へ移動する足が欲しいんだ!」と言ってたらしい。ボクのバイクを買った理由は、オフロードバイクなら道の整備されていない北部の場所でも走れるから。店に残っていたBAJAにはリアキャリアが無いが、ボクのにはHONDA純正の大きなリアキャリアが付いていたからだそうだ。
「今、ピーターは?」
通訳が店長と話す。
『近くのゲストハウスに泊まってたけど、もうチェックアウトしたと思うって言ってる』
「いつぐらいに?」
通訳が店長と話す。
『ピーターにバイクを渡した日に、明日か明後日に北部に行くって言ってたから、たぶん3日ぐらい前。』
「そのゲストハウス、ダメモトで行ってみましょうヨ!」
通訳が店長と話す。
『そのゲストハウス知ってる店員が午後にならないと来ないらしい...』
通訳とディレクターがコソコソと打ち合わせをしている時、店長に話しかけてみた!店長の名前は、"トムさん"。
『ワタシ、盗ンダバイク、シラナイでカッタ。ナンニモシラナイヨ! ワルイコトシテナイヨ!』
さっきまでタイ語で言い合っていたトムさんが日本語でペラペラと話し出した!!
聞くと埼玉県に10数年住んでたトコがあるのだそうだ。
「埼玉?」ちなみにあのバイクが集められていた場所も埼玉県北部だぞ!
「何か関係があるのでは・・・?」と思ったが、
『ウラの工場に、カッタバカリのニホンのバイクアルヨ! 見ルカ?』
ワルイコトしてない証拠とばかりに、見せてくれるコトになった。
「うわっ!スゴイ!!」
工場には日本のバイクが沢山!!!
殆んどがCB400SFで、スクーターやアメリカン、オフ車もある。10台ほどのCB400SFが、今組み上げられている。
『ワタシ、コレ、ゼンブ買ったヨ!』
トムさんの話では、バイヤーからはパーツとして買うらしい。完成車両として購入すると、税金が200%もかかってしまうからだ。パーツなら税金は安い。ただソコは蛇の道は・・・である。
車両にもよるみたいだが、ハンドル、フロントフォーク、前後のタイヤ、タンク、シートが外され、エンジンとフレームはそのまま。その1setになったパーツを購入して組み上げると、元の車両が完成するワケだ!
そのパーツ類はキズが付かないように、包まれているのだが、梱包されている袋を見てコ
レまた驚いた!!日本の農家が使う米の袋、肥料の袋などで包まれている。"埼玉JA"と書かれた袋もあれば、"静岡""福岡"と書かれたものもある。始めて見る"ローソン"の業務用(?)の米袋もあった。
間違いなく日本で梱包されている証拠だ!
完成した車両にはモチロン、エンジンキーは無い。いや、鍵があるものもある。盗難ではなくオークションで落とされたものだ。フロントライトにオークション番号が書かれ、日本のバイクオークション会社大手の「BDS」と書かれた紙が貼ってある車両もある。
『ワタシ、コレ、ホント買ったヨ!!
だから盗ンダバイク、シラナイヨ!』
トムさんの言葉は、ボクには信じられた。
そればかりか、ボクのバイクを輸入した時の書類のコピー一式と、ピーターのパスポートのコピーなどなどを渡してくれ、後で店員にピーターの泊まっているゲストハウスに案内してくれるコトになった。
午後までボクらはホテルで待機する事になった。
ボクのバイクが売れてしまい、タイまで来たのにこれからどうしたらいいのか・・・。そしてトムさんから聞かされた、盗難バイクのタイでの現状・・・。
頭では解っていたが、現実を目の前にして、混乱と怒りがこみ上げていた!!!
=つづく=
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