=恐怖のゴールデン・ウイークの思い出=
ボクのトコロには、映画が一般公開される前に上映される、マスコミ試写の案内が、各映画会社から送られてきます。その中には、この夏に公開される“ホラー映画”も、多く送られてきます。
でもボク、実はこの手のモノ、あんまり得意じゃないんですよ。
ところが以前、恐怖映画に出ちゃったコトがあるんです。
そうそう、公開は1997年の夏。その年のゴールデン・ウイークは、撮影現場に1週間も泊り込み、恐怖の日々を送っていました!
ナゼって!?
だって稲川淳二・脚本・監督・主演の映画なんですよ! タイトルは『心霊2』。この映画は2部構成になっていて、そのうちの1本は、稲川さんご自身が、ロケ先の旅館で起きた恐怖体験を、体験した旅館の同じ現場で、再現撮影する内容なんです。
お〜っ、怖っっっ!!!
クランクイン前には、出演者、スタッフなど、映画に携わる関係者全員が神社に集まって、お祓い。それだけ、マジってワケです。この時点で、「こんな仕事請けちゃって、ちょっと失敗だったかも?」と、チョッピリ後悔。
通常は、何処でロケをするのか、何処に泊まるのかなど、出演者やスタッフには事前にお達しがあるのが普通なんですが、撮影する旅館との契約とかで、場所を明かせないんだとか・・・(でも映画を良く観ると、解ってしまう気が・・・)。ロケバスに乗り込むと、もっと最悪な発表が助監督の口から・・・。
『え〜、宿泊先なんですが、撮影をする向かいの旅館を押さえていますが、出演者、スタッフ合わせると80名を越えてしまう為、全員は宿泊できません。現場に付いてから発表する5名の方に、撮影する旅館に泊まって頂きます。』
「ヤバイよ、ヤバイよ!」だって、“撮影する旅館=出る旅館”なのであるよ! しかもその部屋、今は使用されていない部屋だというじゃないか! というコトは、開かずの間だ!!!最悪なコトに、その5名にボクが含まれていたのである。部屋に入ると稲川さんの事務所の方が、『マジかよ!この部屋はヤバイ部屋じゃん!!』と、聞きたくもナイ暴言を。
その部屋の押し入れには、お経が書かれた紙が全面に貼られ、小さな戸棚には人形がたくさん。「なんだよコレは〜!」持ってきた塩を盛ったりもしましたが、もうここまで来ると、盛塩だけでは無意味な気が・・・。更に撮影する部屋は、その上の階にあって、稲川さんが押し入れで恐怖体験をした実際の部屋らしいのです。何もそんな部屋で撮影しなくったって良いのに、ソコは恐怖映画監督としての、稲川さんのコダワリのようなのです。
おまけに向かいの部屋には古びた布団が敷いてあって、枕元にはホコリの被った一升瓶が置いてある。美術さんに、「スゴイですね。この古い感じ出すのって、難しいですよね!?」って話しかけると、『コレは撮影用じゃなくて最初からあった物だよ』との答えが・・・。
この旅館、いったい幾つの開かずの間があるんだ!?
撮影中の事故は起こりませんでしたが、押し入れに入ったカメラマンが倒れてしまったり、気分が悪くなる人が続出したり、カメラや、録音テープが回らなくなるトラブルや、録音部さんが、怪奇な音を録音してしまったりと、ハプニングが続出!!!
今思い出しても、あの時の怖さが甦ってきます。
静まり返った深夜に、薄暗い流しで歯を磨こうとすると、撮影で使用した血糊が流しにそのまま置いてあったりして、ボク達5人はもうパニック状態。大の大人がビクビクしっぱなしでした!
まっ、考え方によっては事前にお払いもしてるんだし、部屋にはお経が書かれているワケだから、供養されているのかもしれませんが、ホント、あの1週間はマジで怖かった・・・・。
この映画『心霊2』は、もしかしたらまだレンタルであるかも知れませんので、是非ご覧下さい。
でも映画より、撮影現場の方が数倍も怖かったですから・・・・・(出演者、実体験による)。
http://www.sser.org/spa-060510.jpg
コレ、心霊写真じゃありませんよ! 先週末に行った箱根の温泉の一コマです!
|