=怪俳・森繁久彌=
芸能界の誰かが亡くなると、ワイドショーに必ず登場するのが“森繁 久彌 ”さん。
今年で93歳になる森繁さんにとって、殆どの芸能人が後輩な訳デス。
だから毎度毎度の新聞の見出しが「なぜ私より先に―。森繁、号泣!!!」ってなるんですよね。
ボクら役者の“大先輩”である森繁さんのコトを、たいていの俳優が“おじいちゃん”とか“先生”と呼んでいます・・・。
実はボクも、99年だったかな?
NHKの「怒る男・笑う女」ってドラマ(ボクは渡哲也さんの、元・ワル生徒役で出演)で、ご一緒したコトがあるんです。
(※その役の時の、学ラン&リーゼントヘアの写真を掲載しようと思ったのですが、見つかりませんでした・・・。残念!)
スゴイですね。
もう“森繁 久彌”って存在自体がスゴイ・・・。
台本も“森繁さんが演じるから・・・”って、役をかなり意識して書いたのでしょうけど、その時の役は“ボケた老人”の役。ってもご本人と同じで、そのボケが芝居なのか、本当なのかわからないコミカルな役なんですよ。
こんな難しい役は、森繁さんだからこそ演じられる役でもありますよね。
森繁さんの孫役だった“桜井幸子”さんが若い看護師(歯医者の先生だったかな?)の役で、その病院で、自分の孫のお尻や胸を、ボケたフリして“おさわり”をするシーンがあったんです。台本上でね。
まっ、コレがNHKのゴールデン・タイムで流れたってコトも凄いんですが、もっとスゴイのは森繁さんの方。
「カット!」が掛かっても、本当に聞こえないのか、それとも聞こえないフリをしている
のか、まだ“おさわり”を続けていたりして、桜井さんも困惑状態・・・。
当然、長年俳優をやっている方ですから、もし本当に聞こえなくても周りの雰囲気でカメラが廻っていないコトは、絶対にわかるハズなんです。
桜井さんも「止めてください!」とも言えず、さり気なくその手を振り払っていましたけど、森繁さんも負けちゃいない・・・。桜井さんは本当にイヤがって、何度も何度も手を振り払っていました!
案の定、番組打ち上げパーティのスピーチで、そのコトが話題になったんです。
桜井さんは役の上のコトで、まぁ仕方がナイにしろ、実は多くの女優陣が、芝居とは
無縁の場所で“おさわり”の被害者だったのです・・・。
松坂慶子さんや、鈴木杏樹さん、原日出子さんも、その事実をスピーチで暴露!「私も触られました!」とマイク前に立つ度に、全員大爆笑!!
触られていない女優さんなんかは、「私はまだ触られていないわっ!」って文句を言う人までいたりして、もうここまでくると、セクハラなんて関係なく、大先生に触られるコトが光栄のような感じ・・・。
そんな大先生のスピーチは、ほんとにボケでるのか、芝居なのか解らない絶妙なトークで、更に会場を笑いの渦に巻き込んでいました。
どんなコトでも笑いを誘うなんて、さすが“喜劇人協会”の初代会長です!!!
実はボクは、堺正章さんの付き人をしていた関係で、かなり前から森繁さんとは面識があったんですが、その頃から不思議な方だな〜と感じていました!
ナゼって!?
ご高齢で体が不自由なコトもあるのでしょうが、普段は身内のスタッフの方々に支えられながら、やっと歩いているんですヨ。
「そこまで体が不自由なのか・・・」と、ホントに思わせる程の様子。
トコロが、撮影現場のカメラ前では、一人でスタスタと歩いてしまうんです!なのに撮影の「カット!」って声が掛かると、急に歩けなくなってしまう・・・。
いったいどっちが本当なのか・・・?
アレは、“役者・森繁久彌”になると、何かが舞い降りてくるのかな???いやいや、もう私生活も含めて、存在自体が名優であり、怪優なんですよね。
そんな森繁さん、若かりし頃に一度、車のレースに出たコトがあるんだそうですよ!当時は、車の運転が出来る人が少なかったらしく、運転が出来た森繁さんが友人に誘われてイヤイヤ出場。
トコロが、レースに出場する車は、その友人のボロボロの車。
こんな車で大丈夫かな?って思ったら、案の定、レース中に車のネジが飛んで、車が分解しかけたんだとか・・・。
怖くて「もう止めてくれ〜!」って叫んだそうです。。。。。
まっ、森繁さんの事ですから、この話もドコまで事実なのかどうかは、正直なところ不明ですがね・・・。
ボクは“日本俳優連合”(JAPAN ACTORS
UNION)って組合に入ってるんですが、森繁さんはここの理事長でもあるんですヨ。
ここの組合では、ボクら役者の肖像権や著作権を守る活動をしていたり、他の団体と組んで、映画を一般の方より安く観る事が出来たりもするんです!森繁さんは、ボクら俳優のリーダーとしても大活躍です!! |