東京も急激に冷え込んできました。都心でも朝の気温は5℃前後が続いています。先週末は、パリダカに出場する片山君と群馬周辺の林道を走る予定だったのですが、あまりの寒さにおじけづいて断念。だって片山君に電話したら『こっちは雪が降ってるよ!』って言うんだもん。
あまりも急激な冷え込みに、まだ体が慣れていない。真冬の装備だってしていない。昨日は埼玉の秩父で番組ロケだったんですが、夕方の5時半には、濡れた路面が凍っていました。「この週末で、防寒具を出そう!!」と決意。
暖かい南の島に行きたいな~!!
■「タイで発見!? スパ太郎の 実録・盗難バイク奪還劇!!」
(7ヶ月に渡る バイク奪還までのドキュメンタリ)
=前回までのあらすじ=
2ヶ月の間に、3台ものバイクが盗まれた。7ヶ月後に、ボクのバイクが"タイ"北部の街で売られていう情報が入り、タイへ乗こんだが、時既に遅し・・・。ボクのバイクを買ったという、デンマーク人のピーターがを捜すコトになった。そしてついに、ピーターとボクのBAJAが、目の前に現れた!!
果たしてバイクは取り戻せるのだろうか・・・。
第34話『取り戻した!?』の巻き
薄情な番組スタッフが帰った後も、2台のバイクのパーツの入れ替えが続く・・・。ボクもホイールを外したり、バイクを押さえたり、手伝う。
威圧的なサングラスをかけたまま、道の隅で座り込んでいるままのピーター。横で彼女が慰めている。
何日も洗っていなさそうな上下の服。とてもファッション的とは言えない伸ばし放題のボサボサの髪。やはりピーターは、タイを旅するバックパッカーいや、ヒッピーと言ってもいいだろう。
実はボク、まだ一言もピーターと話していない・・・。
「日本で盗まれたバイクだから・・・」と、突然現れたボクに戸惑っているに違いない。ボクはピックアップトラックの中に置いたままのBAGの中から、日本から持ってきたボクのバイクである証拠写真「ロシアンラリー」の写真や「日本でのツーリング」写真をチョイスし、カタコト英語を駆使して、目の前にあるバイクを指差しながら写真を見せた。
初めてサングラスを外したピーターの顔。意外に優しそうな目だ。
『このバイクは、お前のバイクか!?』と聞いてきた。
トムさんの店にはBAJAが2台あったのに、なんでボクのバイクを買ったのだろう。なんでもう一台のバイクじゃなかったんだ!?
ボクのバイクに引かれた理由ってあるのだろうか?
ボクがずっと疑問に思っていたコトだ!!聞いてみた。
『リアキャリアが付いていたから・・・』
なんと単純な理由だ!! その理由の為に、ボクは捜すのにどれだけ苦労したか・・・。
逆にピーターからは『東京に住んでいるのか?』『デカイ街なんだろ?』『六本木に行ってみたいんだ!』なんて話しが・・・。今は汚い格好をしているが、意外に都会派なのかもしれない。
だんだん日が傾いてきて、ピーターもパーツ交換の手伝いを始めた。バイクを押さえたり。工具を取ったり・・・。その様子から、まったくバイクいじりに慣れていない。それでもピーターが心を開いてくれた感じがして、嬉しかった。
交換作業が終わると、ピーターが乗り換えるバイクにはミラーが無い事に気づいた。ボクは片方のミラーを外してピーターのバイクに付けてあげた。『サンキュー!』と、2人とも油まみれで真っ黒な手で握手を交わす。ピーターは新しいバイクに跨ったまま、チェンマイに戻るボクらを送ってくれた。
さて、取り戻したバイク、これからどうするか・・・。
ピーターからは取り戻したものの、今の状態はピーターが店のバイクと交換しただけ。よく考えるとまだ店のバイクだ!!
ピックアップを運転するトムさんに話を切り出す。
『ダイジョウブ。心配ない。』さっきからソレばっかりで意味がわからない。
チェンマイに近づくと、トムさんが
『アナタの盗難の書類、証拠の写真、全部ワタシがもらう。あなたバイク持って帰る!』と話し出した。
日本から持ってきた盗難品である証拠を、トムさんが仕入れたパイヤーへ突きつけ、返金してもらう・・・というコトらしい。警察へ話したりするとかえって厄介になるらしい。
「それで大丈夫!?
トムさん損しない!?」何度も確認したが『マイペンライ!(大丈夫!)』とニッコリ。
「チェンマイから、日本へ送る業者ってあるかな?」と聞くと、
『明日一緒に、バンコクへバイクを持って行く! バンコクが一番いい』
「えっ!?何で!?」
『ピックアップに載せて行く!』
「えっ!マジで!?」
チェンマイ〜バンコク間は、800キロはある道のりだ。しかも高速道路なんて無いから想像を絶する時間がかかるに違いない。そんな距離を一緒に運んでくれると言うのだ!!
色々と迷惑をかけ、世話になっている上にそこまで世話になっていいものか・・・。
『ダイジョウブ。ワタシ日本で親切になったよ! 今そのお礼をする時・・・』
その言葉にボクは涙が止まらなかった・・・!
真っ暗な窓の外をみて、ごまかしてはいるものの、ボクの鼻をすする音はトムさんにも、店のスタッフにも聞こえていたに違いない。
チェンマイに近づくにつれ、車やバイクが多くなり、ピックアップは東南アジアの活力ある雑踏の中に紛れていった・・・。
=つづく=
写真の解説
1. トムさんの店 (上の写真)
トムさんの店には輸入した日本車が沢山。勿論トムさんと窃盗団は無関係。このBAJAは店にあったもう一台のBAJA。サスペンション、ハンドル回り、タンクなどはボクの物だ。
2. ピーターと・・・ (下の写真)
チェンマイの道端でピーターと。最後には仲良くなって「お互いにこれからもバイクを楽
しもう!」と別れた!
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