三寒四温とは正にこのコト。
もうすぐ春だってのに、先日、東京でも大雪が降りました。
でもその日、ボクは栃木の"ツインリンクもてぎ"で、泊りで新番組の撮影中!朝起きると、一面が銀世界!スキーが出来るくらい積もってましたよ。
高橋国光さんが、ドイツ・ホッケンハイムで初優勝した時のゼッケン100番のバイク、RC162に乗る姿が近日放送されますのでお楽しみに!えっ!?ボク?ボクは販売価格520万円のNRに跨っただけで、ドキドキもんでした・・・・。(倒さなくてよかった・・・)
「タイで発見!?スパ太郎の 実録・盗難バイク奪還劇!!」
(7ヶ月に渡る バイク奪還までのドキュメンタリ)
=前回までのあらすじ=
バイクが盗まれた!しかも2ヶ月の間に合計3台が…。冗談じゃない!!年間25万台が盗まれている現状を知ったボクは、深夜パトロールを始めたその晩早速、疑わしい白い車を目撃したのだ!!
第3話『深夜のパトロール怪しい車を発見!第2弾!!』
車が走り去るとすぐさまロケ車に戻り、番組スタッフと合流。「今の車怪しかったですね!」「ホント怪しかった」「間違いなくバイクを調べていたよ」「しかもここ世田谷で八王子ナンバーってのも疑う要因だよね」じつは以前、ジャーナリストから聞いた盗難されたバイクが集められる場所の一つに、"八王子"という地名が挙げられていたのだ。初パトロールで、しかも数時間で出くわした出来事に、車内がハイテンションだ!直ぐに撮った映像をプレビューしてみる。ウインドーのスモークのせいで、白い車の男性の顔は映っていなかったが、バイクを物色するような不審な行動は記録されていた。
この番組制作会社では、番組改編時期に放送される2時間特別番組用の取材を、複数同時進行しており、実は全て事件モノを取材しているのだ。カメラマンは今日の昼間、自転車泥棒の取材。ディレクターとADは、ナント一昨日の晩、下着泥棒の張り込み中に犯人と遭遇し、警察に通報。その一部始終を撮影したという実績をもっていた。
その後もボクんちの周辺、井の頭通りを挟んだ世田谷区と渋谷区の境を中心に巡回パトロール。少し眠くなってきた朝の4時過ぎ、睡魔は不審な行動の車発見で吹き飛んだ!
練馬ナンバーの軽トラだ!荷台には幌がかかっている。作業着を着たオジさんが運転しながらキョロキョロと何かを探しているではないか。一度通り過ぎてナンバーを控え、車班と、徒歩班に分かれて軽トラの追跡を開始。ボクは徒歩班。カメラマンもディレクターも一緒で心強いが、明け方に男3人は目立つし、なんと言っても暑苦しい。
軽トラが停まると、直ぐにオジさんが降りてきた。そしてアパートの影に消える・・・。薄暗いし良く見えないので、軽トラへ近寄ると、突然オジさんが出てきた!「おわぁ!」と3人が慌てて物陰に隠れて息をひそめた。幸いにもオジさんはボクらに気づくコトもなく、軽トラで走り出した。またすぐに停まって、オジさんが別のアパートの敷地内に消える。「こんな明け方にいったいナニしてるんだ?」今度は物陰から様子が見えた。
「あっ!駐輪場だ!」「バイクを見てる!」駐輪場にとめてあるバイクを、オジさんは調べているようだ。シートをかけてあるバイクはシートをメクっているじゃないか!『何してるんだ!?』次の場所での物色中に、ボクはスタッフの反対を押し切って軽トラに近づいた。運転席にはボロボロになった東京の地図や汚れた軍手。何かのネジやボルト、ドライバー、レンチなどが車内に散乱している。疑ったらキリが無いのだが、幌の掛かった荷台にはラダーらしき木の板とロープ。しかも荷台にはオイルやガソリンなどがコボれた後らしきシミも発見!この光景を"ライダー"として見た以上、『バイクを運んでいる・・・』以外には想像ができないのだ。
決定的証拠も無いので警察には通報しなかったが、オジさんは、ボク達と遭遇してから合計7箇所で物色。その後、環七へ出て大森方面へ走り去ってしまった・・・・・。
「いや~でもホント、取材初日にして、こんな現場に遭遇するなんてオドロキですね~!」と昨日、下着泥棒を捕まえたディレクイターも興奮気味だ!でも、白い車も軽トラも、怪しいというだけで盗んだ現場を見た訳じゃナイ。「でも決定的瞬間が取れない限り、番組として成立は出来ませんね~」当時は、番組のヤラセが問題になっていた時期でもあったのだ。
パトロールはこの日から毎晩、数週間続いた。番組スタッフも一緒だ。怪しい車や人物とは遭遇するのだが、決定的な瞬間や証拠を押さえられないままでいた。
半ば諦めかけていたある日、聞き込んだバイク屋で、驚きの証言を聞くコトができたのだ。
=つづく=
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