【ラ.フェスタ.ミッレミリア】行ってきました!!
明治神宮スタートの日は30度を越える暑さだったり、福島・裏磐梯や米沢の方は寒かったりとタイヘンでしたが、楽しんじゃいました!
そうそう、裏磐梯じゃ、第一回目のTDN'02で宿泊したキャンプ所の近くに泊まったんですよ!!
「あのバンガローも寒かったな~」と思い出が甦って来ました!もてぎサーキットでは、近所の保育園の子供達が写生をしに来ていました!ホラ、この写真(左の写真)。ボクにもこんな時代があったんだろうな〜。
【RICOH Caplio GX にてスパ太郎が撮影】
■「タイで発見!? スパ太郎の
実録・盗難バイク奪還劇!!」
(7ヶ月に渡る バイク奪還までのドキュメンタリ)
=前回までのあらすじ=
2ヶ月の間に、都内で合計3台ものバイクが盗まれ、5ヵ月ちょっとして盗まれたバイクがタイ北部のチェンマイのバイク屋で発見された。バイク屋に乗り込むと、ほんの1週間前にBAJAが売れてしまった...というのだ!!
買ったデンマーク人のピーターを捜し、右往左往。捜索最終日の朝、バイク屋のトムさんの所にピーターから電話がかかってきた・・・。
第28話『日本語ペラペラのトムさんの"心"』の巻き
『2時にパイで、ピーターに会う!』
ボクらは急いで一度ホテルへ戻ってチェックアウトの準備。「急げ!急げ!」チェンマイからパイまでは120キロくらいの距離だが、途中は山道も、悪路も、検問もあるから2時間半~3時間はかかる。時間がない。「急げ!急げ!」
ロビーに集まる番組スタッフも慌しく動いている。今日バンコクへ帰る飛行機の便を、夜の便に変更しているのだ。荷物をロケバスに積み込んで、トムさんの店に向かう。
店でもピックアップトラックに、店に置いてあるもう一台のBAJAを積み込んでいる。『ワタシ、ピーターに話するよ!
こっちのバイクにチェンジするのがイイって!!』
心配そうなボクを気遣ったのか、
『ダイジョウブ、ワタシ、ピーターに話すよ。あなた自分のバイク持って日本に帰る!全部オシマイ。マイペンライね!!』と、ボクの肩を叩く。マイペンライとは、タイ語でダイジョウブ、問題ナイの意味。タイではよく耳にする言葉だ!
正直、トムさんだって盗難グループのイチミかも知れないって疑いはある。でもボクはトムさんと色々話がしたくて、ピックアップに乗り込むコトにした。番組スタッフが万一を心配してボクにマイクを仕込む。ボクの会話はロケバスのスピーカーでスタッフが確認できる。もちろん、そのコトをトムさんはしらない・・・。
ピックアップには店の店員が一人乗り込んで、前部で3人。後ろにロケバスが続く。
トムさんと話して驚くコトばかりだった!!
まず、トムさんが日本語が上手なのは、日本に13年間住んでいたコトがあるからなのだそうだ。それも住んで埼玉で、ボクの実家からも直ぐ近く。ボクが高校の部活の帰りに、よく買い食いをしていた店の直ぐ近くに住んでいたのだ!!
しかも日本人の奥さんがいる!
ナント、ボクの高校の後輩だ!
奥さんの方が期がいくつも下だから面識はないが、学校全体の同窓会などはボクが司会をしたりもしているから、奥さんはボクのコトを知っているかも知れない。
そういえば日本での盗難バイクの取材中に行き着いた先は埼玉県北部。それとなく聞いてみるが、トムさんの口調が強くなった。『ワタシ、盗難のこと全然知らない!
ウソじゃないよ。バイクはバイヤーから買っただけ!』確かなコトは言えないが、その言葉はボクには信じられた。
じゃなくても、ガレージでこれから組み立てるバイクを、トムさんはボクに見せてくれたのだ!
トムさんは日本での13年間、生活習慣の違いや考え方の違いから、色々と苦労もあったのだそうだ。そしてボクは、トムさんの言葉と、心遣い、行動に、後頭部をデカイハンマーで殴られた気になったのだ!
『ワタシ、日本でもタイヘンだったヨ!
でもいっぱいの日本人に、とっても親切にしてもらった!
昔はタイの人、とっても親切。仏陀の心。でも今は違う。人に親切にする心とてもダイジ。それワタシ、日本で教わったヨ!
でもタイの人、ダイジなコト忘れてる人多いよ! でもワタシ、日本で親切貰った!
だから日本大好き!日本人感謝してるよ!』
トムさんは小さい頃から、家庭の事情から近所のタイ人から色々な嫌がらせを受けていたらしいのだ。そんな状況から逃げるように来日。スレていたトムさんの心は、日本で改心させられたらしいのだ。
『あなたホントに困ってる。だからワタシあなた助ける。困ってる人助けるのアタリマエのこと。だからナニも問題ナイ。これ日本で教わった"ハート"、"マインド"だよ!』
さっきまで窃盗団のイチミじゃ・・・?と疑っていた自分が恥ずかしくなる。トムさんのカタコトだが説得力のある言葉に、ボクはムネを打たれていた。
少なくても被害者意識丸出しで、偉そうにボクはタイに乗り込んできた。タイで接したタイ人に対して全員って良い程、見下した態度で接していた気がする。トムさんに対してだって同じだ!
でもよくよく考えれば、トムさんだって、ピーターだってこの事件の被害者なのだ。今まで平穏に過ごしていた所へ、ボクが横柄な態度で乗り込んできた・・・。ボクさえタイに来なければ、今まで通りの日常があったハズ。ボクがそれを壊してしまった・・・。なのにトムさんは、ボクに親切にしてくれている・・・。
ボクが恨むべき矛先は、トムさんやタイの人ではなく、犯罪を組織している人達、そしてソレを野放しにしている日本の機関なのではないか・・・?
トムさんが好きな"日本人"として恥ずかしい。人として忘れていた何かをトムさんから教わった気がした。
そしてまだトムさんは、ボクに隠しマイクが付いていることも、番組の取材を兼ねているコトも知らない。いや若しかしたら気が付いてるのかもしれないが、何も聞いてこない。それを黙っているコトが、トムさんを騙しているような気がしてボクの心が痛んだ。
パイの街にもうすぐ着く。
ピーターにもバイクにももう直ぐ会えるってのに、胸がチクチクと痛かった・・・。
=つづく= |