住所を書くたびに、条件反射か、目がカユくなる季節。
重度なスギ花粉症だというのに、杉並区に引っ越してしまった、後悔の念。それなのに、埼玉県は秩父の山奥に撮影で行ったら、山から煙が出ているじゃナイですか!地元の人が「あぁ!花粉が飛んでるんだよ!」だって!!子供の頃、"緑の羽募金"をして、緑の羽を自慢げに胸に挿していた自分を呪いたい気分です。国策でスギを植えたんなら、国策で花粉症を撃退してくれぇ~~~~!!
■「タイで発見!?
スパ太郎の 実録・盗難バイク奪還劇!!」
(7ヶ月に渡る バイク奪還までのドキュメンタリ)
=前回までのあらすじ=
バイクが盗まれた! しかも2ヶ月の間に合計3台が・・・。冗談じゃない!!
年間25万台が盗まれている現状を知ったボクは、深夜パトロールを始めたのだ。「あっ!」いるじゃないか!
怪しき人達が・・・。
第4話
『オドロキの極秘資料』の巻き
連日の深夜のパトロールでは、怪しき人物や車両と度々遭遇してはいるものの、決め手となる決定的な瞬間や裏づけがとれない状態が続いていた。「やっぱり素人には無理なのかな?」空回りする気持ちと現状、そして毎晩の寝不足が重なった為か、だんだんと犯人に対する怒りのバロメーターは、低くなりつつあった。
そんなある日、オドロキのタコメーターがまたもやレッドゾーンに達したのだ。
そう、パトロールと同時に時間を見つけては、付近のバイク屋に聞き込みを重ねていたのだ。でも「ん~、盗まれたとは聞くけど良くわからないね~」と、どこの店も濁したような渋い顔。バイク屋はバイクやそのオーナーのデータを持っているから、一枚絡んでいる・・・なんて、よからぬ話しを聞いたこともある。やはりそうなのか?
盗難現場からは少し離れるのだが、盗まれた愛車のBAJAを購入したバイク屋にも顔を出してみた。『えっ!?
スパちゃんもヤラれた!?
ん~、実はウチのお客さんも、ここんとこ被害が多くてね~。』と話してくれた。実はこのバイク屋、ホンダのウイング店なのだが、鈴鹿8耐をはじめ、ロードレースなどでも成績を残している店で、バイク好きならきっと一度は聞いたコトがあるだろう有名店だ。当時は都内に4店舗を構えて(今はもっと増えている)、ホンダ販売店としては販売実績でも、車両整備の丁寧さでも、とっても信頼の於けるバイク屋なのだ。
ボクにとってはなじみの店というコトもあり、盗まれたバイクや犯人を探して、結果が出ればマスコミを通してこの現状を訴えたい気持ちを話したのだ。すると、『それならば・・・』というコトで、具体的な車名や数字や場所を公表しないという条件付で、店の極秘資料を見せてくれるコトになったのだ。奥の部屋に案内され、暫く待つと『ちょっとコレ見てくれる?』と極秘資料が目の前に現れた。
「えっ!?
こんなに盗まれてるんですかっ!」極秘資料は、去年度と一昨年度の盗難されたお客のバイクの車種、台数が、月ごとに分類されて、その傾向が一目でわかる表形式になっていた。50t
のスクーターが圧倒的に多いのだが、ロードバイク、アメリカン、オフロードバイク、BIGスクーターと続いている(2001年の当時、BIGスクーターは今ほど売れてはいなかったようだ)。まっ、トータルでは排気量250t以上のオートバイの方が盗難件数は多いのだが、販売台数が多いバイクが、それに比例している。オドロキはどうやって運び出したのだろう。1500tの超重たいバイクも数台が盗難されてるのだ。時期で言うと真冬よりも春から秋にかけてが多いだろうか・・・。
『まっ、ウチは販売数も多いですからね。それでも異常な数字だよね』
しかもこの数字は、あくまでもこの店で新車で買って、1年以内に盗まれて盗難保険が適用になったバイクの数だそうだ。盗難保険が購入から一年以上たって切れている、入っていなかったケースやを含めると、更に数が膨れ上がると言う。
『でもね、殆んどがチェーンとかワイヤーロックを切られて持って行かれてるんだよ!』
「そうなんですかっ!? でもコレってどの辺りで盗難されてるんですか?」
『まあ、ウチのお客なんでエリアはひろいんだけど、杉並、中野、世田谷、渋谷、練馬が多いかな?
特にココ最近は甲州街道を中心としたエリアの被害が多いみたいだねぇ』
他のバイク屋ではあいまいな回答をされた事を話すと、
『バイク屋が保険手続きをするんだから、その数を把握していないハズは無い。』とキッパリと言い張った。
更にバイク屋が盗難に関与しているケースは無いのかと、突っ込んだ質問もしてみた。
『そういう話も聞いたことはあるね。直ぐに新車を買ったり、保険で買いなおす人がいれば、その時はバイクは売れるだろうけど、でも愛車が盗まれたら、誰よりもそのオーナーが一番ガッカリだよね。バイクを買う=盗まれる=乗りたくない=買わないって図式になっちゃうワケ。よそのバイク屋は知らないけど、うちのお客のバイクが盗まれるってコトは、ウチの店にとっても二輪車業界にとっても大きな損害だよね』
「で、どう思います? 警察では少年の犯罪だよって言われたんですけど」
『イヤ、組織じゃないの?
特に大型バイクはそれなりの下準備がないと無理だよね。売りさばくルートもちゃんとあるんじゃないかな?
海外へ持っていかれるって話も聞いたことあるよね』
やっぱり・・・。
実はお客だけじゃなくって、従業員でも盗まれてる人が数名いるんだそうだ。やっぱり盗難されてるんだ!
ボクだけじゃなかったんだ・・・。年間25万台って数字も嘘じゃない。ボクのケースも組織による犯行なのでは・・・?ジャーナリスト達の言ってた言葉が、より身近になってきた。
下から店員があがってきて、『連絡OKだそうです』と、メモを置いていった。
『いや実はね、昨日新車のブラックバードを納車したお客さんが、今朝起きたら盗まれてたって言うんだよ。本人そうとうヘコんでるみたいだけど、取材に応じてくれるそうだから連絡してみたら?』
メモには、連絡先と盗難された住所、地図が書いてあった。
「えっ!?
コレって・・・。」
昨夜、番組スタッフと夜のパトロールをしていた場所から100mも離れていない場所だ。昨日の夜は特に怪しい人物もいなかったし、特に変わった様子はなかったのだ。そんな近くで盗難されたの?
またボクん家の近所で盗難がおきたの?
真相を確かめる為、急遽ブラックバードのオーナーと会うことになったのだ。
=つづく=
|