=「実録・盗難バイク奪還劇!!」 あとがき=
ということで、ボクが東京・下北沢で盗まれたバイク3台(XR-BAJA2台・CRM-AR1台)の内、1台は執念なのか、運が良かったのが重なって、タイより奪還に成功した次第です。(たぶんCRM−ARはまだタイか、東南アジアのどこかにいると思ういますが・・・。おそらくもう一台のBAJAも・・・。)
今まで、バイク雑誌や新聞などで「バイク奪還」の記事を書かせて頂いたり、インタビューをされたりしたコトはありましたが、紙面量の都合上、ここまで詳しく語ることはできませんでした・・・。でも、これでもまだまだ書き足りないコトや、まだ公にできないコトもあったりするんです・・・。
ボクを追いかけていた番組の方は、バイクが盗まれてから1年半後の2002年の秋頃に、TBSの「スーパーフライデー」という番組で放送されました。あんなに取材したのに、重要な大部分がcutされてしまいました。タイのコーディネーターがまだ警察の保護下にあって、「見えない組織にキケンを感じる」というのが当時の番組制作会社の判断でした。
番組を見た人の中には『いや〜、手が込んでてよく出来た番組だったよ!』(他局のディレクターの意見ですが)とか、『番組だから取り戻せたんでしょ!?』なんていう方もいました。
確かにボクの場合、偶然にもタイに住む知人が発見し、番組ならではの機動力もありました。でもコレはフィクションではなく、すべて現実としてあったコトです。ボク自身は、ボクの犯人を許さない強い執念と、それに協力して下さった沢山の人達の力のお蔭と思っています。(未だに犯人グループは許せない気持ちでいっぱいです!!)
正直なトコロ、ボクはこの愛車に拘っていたワケではないのです。タイで押収したとき、「タイでの練習用にした方が、日本に送るコストがかからないや」と正直思いました。でも協力してくださった沢山の人達のキモチ、盗まれた人達の悔しい気持ちを考えると、やはり日本に持ち帰り、奪還1号車として、話題になった方がいいと思ったのです。
ところが、この快挙な(?)出来事にバイクの専門誌などは、興味をもってくれませんでした。「そんなネタよりも、新車情報を多く掲載した方が雑誌は売れる」とまで言う編集者もいました。最近になってようやく取り上げてくれた専門誌もありましたが・・・。
でも最近思うのは、ボクのバイクを取り戻したコトよりも、「日本人の、盗難に対する意識が非常に低い」ってコトがわかった事の方が、重要だと感じています。
バイクの専門誌である編集者もそう。バイクのオーナーもそう。だから犯人グループに、『日本ほどチョロイ国はナイ!』なんて言われてしまうんです。
警視庁の方さえ、『バイク盗難は年間126717台に減った!』って意識ですから、「組織を一網打尽にしよう」とか、「警察の組織と組織が連携して・・・」なんて、残念ながらまだまだ先の話になりそうです。
実際に自分のバイクが盗まれて、警察に届けて、警察が何も動いてくれない事にガッカリした方も大勢いると思います。でも、現実はその通りなんです。
警察署の、泥棒などを担当する方に一連の話をした時に、『警察は忙しいからね』とか『もっと重要な事件がたくさんある』って言われた時には、ホント、オドロキました。埼玉県R市の所轄もダメですね。捜査が本気じゃないから事実を掴めない。実際にその地域に住む埼玉県警の方は、盗難に関わっている業者を黙認している人もいたからあきれてしまう。
親しい白バイ隊員からは『実はさ、オレも警察の寮で盗まれたんだよ!』っていう人も数人いました。警察の寮を狙うなんて大胆不敵というか、日本人ならたぶん狙いませんよね。『同じ警察なのにさ、バイク盗まれても何もしてくんないんだよ。警察は・・・』と嘆く声も。『警察は縦割りだからさ、あんたみたいな被害者でパワーのある人が、上の人間に言ってくれないとダメなんだよ!』と、お願いをされてしまいました。
これらは、バイクを盗んでも罪が軽い=警察も力が入らないっていう理由があるみたいです。↑この辺が一番、『日本ほどチョロイ国はナイ!』なんて言われてしまう原因ではないかと思いますが・・・。
その後の調べで、ボクの奪還したバイクと、同時に盗まれたCRMは、盗難された2日後には横浜港で書類検査を通過したコトがわかりました。盗まれて直ぐに埼玉県R市へ運ばれ、バラバラにされ、その場でコンテナに詰まれ、パーツとして出荷されたワケです。その後船は、韓国〜香港経由で、バンコクに入港。日本からの直行便ではありませんでした・・・。
ボクとしては、埼玉県R市の業者も、タイの業者もわかっているワケだからその組織を一網打尽にしたかったのですが、残念ながら警察を頼りには出来ず、独自に捜査するにも予算がかなりかかりそうで、そのままの状態になっています。
だから、ボクらライダーは、意識を高く持ち、自分の身は自分で守るしかないのです。警察の組織や、社会に対してもっとバイク盗難の現状をPRするコトも必要だと思います。
海外旅行先で『オレのバイクを見つけた!』『友達のバイクを見つけた!』なんて話をよく耳にします。そんな時は「もう、取り戻せないから・・・」なんて諦めないで、大使館に電話するとか、警察に連絡するとか、何かアクションを起こして下さい。取り戻すコトよりも、その現状を警察や世間に知って貰う事、事実を世の中に知って貰う事が大事なのだとボクは思います。
そしてもし、組織のエライ方や、警察の中でもバイク盗難事件を重要視している方をご存知の方は、是非ボクにご紹介下さいネ。そして、ボクと同じキモチを持つ方がいたら、是非ともボクにコンタクト下さい。(スパ太郎コンタクト:karakusa_bike@yahoo.co.jp)団結ほど、強いモノはないと思います。
2004年度の盗難件数は、年間126717台。1日あたり347台盗まれているって事を、みなさん自覚して下さい。ボクはこの数字を少しでも減らす為に、チャンスがあれば皆さんの前でしゃべり、マスコミにもPRし続けたいと強く思っています。
最後に、ボクはこの取材を通して、本当に沢山の人達と出会い、沢山の方達にお世話になりました。このコトは、バイクを取り戻した以上に、ボクの財産だと思っています。本当にありがとうございました。
そして取り戻したBAJAは、大切な相棒としてTDNを2回檄走し、ガストンにも跨って貰いました。おかげさまで、今も元気に走っています・・・・・・。 |