トゥアレグラリーへ行こうその15 Day7
今日はモロッコ最終日。今日の朝はいつになくバタバタしていました。昨日までの装備品チェックとカードの配布はスタート地点だったのですが今日はホテルの駐車場。4日も同じキャンプだったのでどこに何があるかは分かっていたのだけど今日の朝さっぱり分かりません。通りすがりの人にその水はどこにあったの??とか装備品のチェックはどこ??などと聞きまくっているので時間がかかります。準備が出来て出発する頃には人がいなくなっていました。スタート地点はホテルから数キロ行ったところです。
まずはリエゾン。スタートして2キロのところに川渡りがあります。今日は一緒のチームのペーターさんが一緒に行こうと言うことで私の後ろを走っています。川に着くと既に対岸で水抜き作業をやっている人の姿もちらほら。地図には"渡る前に川の深さを測れ"と書いてあります。結構深そうです。まずは旦那様が渡りました。旦那様を見る限りではそんなに難しそうではありません。次に私が行こうとしたらペーターさんが先に行ってしまいました。ちょっと深い方向へ行ってしまったと思ったら、そこでバランスを崩して水没。すぐに起こしたのだけれど水が入っているようです。あーっ!せっかく旦那様でいいイメージが出来ていたのに一瞬にして最悪のイメージに塗り替えられてしまったではないか!!!!なんてことをしてくれたんだ!!ペーターさん!
次は私の番です。旦那様のお手本など頭の片隅にもなく思いっきり力んだままスタートしました。結構なスピードで川に入ったみたいで頭から水をかぶった上に左右に振られてカメラマンの方に一直線に向かっていきます。見ていた旦那様はやっぱしか。こけたな。と思ったそうです。唯一予想と違ったのはバランスを崩したときにアクセルを開けたこと。らしいです。どうにか持ち直してとりあえず対岸まではたどり着くことが出来ましたが頭から足までびしょびしょです。
この先は走りやすいピストで30分くらいで舗装路に出ました。ここから先50キロほどは舗装路だったのですがびしょびしょな私にはつらすぎました。待望のオフロードがやってきました。本日唯一のSSです。はじめのうちは都会に戻ってきたのかな?という感じでした。畑があったり、時々人がいたりして。赤いウエアのイタリア人たち(赤は上手な人たち。陽気なイタリアンは青でした)にバシバシ越されておお!この人たちうまいな!!と関心しながら走っていました。
でもやっぱりラリーですね。ちょっと走ると何もない荒野が広がっています。このSSでは車に悩みました。追いついて仕方がないのです。バイクのときでもダストの中を走らないと追い越せないので怖いのですが、車のダストは何倍も多くて広範囲。私の場合、見えない中で越すのは怖いので譲ってくれるのを待つか平行ピストに出るのを待つかのどちらかです。ここは見渡す限りの大平原なのですがメインのピスト以外は道が曲がっていて遠回り。どんなに一生懸命走ってもメインピストを走る車のほうが速くて追い越せません。おまけに車は1台ではなく3台でバトルを繰り広げていて車と車の間に入るのもごめんです。譲ってもらおうと追いついてもなかなか前に出してもらえませんでした。結局前に出るのをあきらめて着いていくことにしました。ここはじっと我慢です。結局この3台とは10キロくらい走った後、枯れ川の中で越すことが出来ました。ここはガレ場ではないのですが時々大きな岩があったりその岩が数メートル落ちていて通れなかったり。ここはちゃんと地図のコーション見ていないと危険です。ここまで来たら慎重に行こうと難しそうなところは押したり、ラインを間違えたらバイクから降りて一度バックしたり。そんな感じでゆっくりと進んでいきました。
ここでは何人かのレディースクラスのライダーに越されました。イギリス人とフランス人。みんなとても上手です。ガレ場なんてするするっという感じ。簡単そうだ!と思って着いていくとそこはとんでもないガレ場だったりして、ヨーロッパの人たちってみんな上手いんだ。と改めて思いました。10キロほど枯れ川の中を走ってたらゴールでした。
■山を越える前。乾燥した土地です。
ここから先はSSではないので旦那さんと一緒に最後の峠を越えることにしました。カイザーさんからは綺麗な森だよと聞いていたので、走りやすい林道のような道を想像していて、主催者さんやるね!最後は綺麗で走りやすい道か。なんて考えていたのだけど、大違い!!
そこは石畳の道。その石畳の石が大きい上に間隔を置いてあるものだから走りにくい。こんなところ馬車で通ったら本当にスタックするでしょ!!と言いたくなりました。ここに来てクラッチの調子が悪いのが私にとってはダメージです。クラッチを握っても切れないのです。スムーズな走りが出来ればいいのですが、ここはひどく走りにくい石畳。あっという間に置いていかれました。
でもここであせっても仕方がない。
と開き直れるようになったのが今回成長したところでしょうか。この石畳は再スタートすら難しくてほとんど押して上がりまた。そこから先は日本の林道みたいでしたがラリー用のこのバイクではなかなか厳しい道です。くねくねとした道はクラッチなしでは何度となくエンストしました。だんだんいやになった頃に左カーブでついにこけました。旦那様は気づかず行ってしまったのだけど私はというと、起こそうという気が起きません。その場でこけたバイクを眺めていました。
こうなると私は面倒なのです。一通り現実逃避をしないと行動を起こさないのです。まずは飴を取り出してなめます。それから体育座りをしてみます。そしてバイクを眺めます。
そんなことをしていると旦那様が戻ってきました。おっとこれはまずい。こんな姿を見せてしまったら怒られます。急いでバイクを起こしてエンジンをかけなければ。ですが、クラッチを切っても前に進むのでエンジンを上手くかけることが出来ません。戻ってきた旦那様が一言。なにやってるの??この何気ない一言に私が切れました。私、切れると話さなくなります。クラッチがダメ!とだけ言って黙々とバイクを走れる位置まで戻そうとします。そんな事いったってしょうがないだろう!!と旦那様も苛立ち気味。
もくもくとバイクを元の位置に戻す私。こんなところで夫婦喧嘩を始めてしまっては仕方がないと思ったのかそれ以上も言いませんでした。何こ必然的に話し相手がいなくなってしまいます。そんなわけでどうにか再スタートをることが出来ました。
1回メな私になってしまったらその後しばらくは大丈走行するうに森を抜けきれいな畑の道に出ました。どうやら無事に峠を越えてナドールに出たようです。森の向こう側はあんなに乾いた土地だったのにここは灌漑された緑の畑が広がっています。この川沿いのきれいな道を走ります。ここはクラッチが切れなくても大丈夫です。時々、小さな坂の頂上で子供たちが"ジャンプして!!"と歓声をあげています。旦那様はそれに答えてジャンプしていましたが私にはそんな元気、残っていませんでした。ここを抜けたら後は危険な舗装路を走って港に行くだけです。
■山を越えると緑がひろがっています。
港では出国書類の記入を済ませて、パスポートを主催者に渡してサービスチームのトレーラーにバイクを積んでもらいます。その後は夜の乗船時間までの6時間ほどは自由時間です。
久々に文明のにおいのする食べ物をと喫茶店に行ってハンバーガーを注文。野菜にハンバーグにチーズ。確かにハンバーガーです。かじりついた瞬間、ここが日本でないことを思い出しました。何か違和感が…と思ったら、パンがフランスパンの生地でした。贅沢は言ってられないのでこれをおいしく頂きました。 |