トゥアレグラリーへ行こうその14 Day6
今日から帰りの工程です。10キロほどのコース最初のデューンの後はもうデューンは数箇所コマ図に現れているだけです。朝、バイクのところに行くとカイザーさんがバイクを見てくれています。昨日は普通に整備してくれればOKだったのですが、見習い?のニックがいろいろとチェックを忘れてしまったらしくカイザーさんに怒られていました。スタート前にオイルを補充してもらって配線の取り回しを変更してもらいました。既にスタートの呼び出しはもう始まっていて、エンジンをかけようとセルを回したのですが…あれっ!?今日もバッテリーが空。仕方がないのでキックするのだけど、気持ちばかりがあせるだけ全然かかりません。メカニックもライダーも既にスタートへ行ってしまって一人であせりました。あーもう!!
ただ一人ゆうるりやってきた大男が!トーマスです。彼はアマチュアクラスなのでスタートが遅いのです。見つけると速攻でエンジンかけて!!!!と頼みました。あっけなくKTMは目を覚ました。どうやら私と同じで朝は弱いようです。ようやくスタートラインに行ったのですが、まだ30番台で、私はというと90番くらい。止まって待ちたいのですが、今日のKTMはクラッチが切れずにストップするとエンジンまで止まってしまいます。どうやらここ3日のデューンで悪いクラッチ癖が復活したらしく調子が悪くなってしまったようです。これではストップするたびにキックが待っています。スタートが近付いてきたのでエンジンをかけようとするのですが、またまたかかりません。路面は砂地。押してスタートまでいくなんて不可能です。またキックと格闘することになりました。既にスタートのオフシャルに呼ばれていて気持ちばかりが焦るだけです。見かねた陽気なイタリアンがどけと言っているようです。キックペダルから足をはなすと私が乗ったままキックしてくれて無事にエンジンがかかりました。
スタートしてすぐの砂丘の中で旦那さんが手を振っていました。どうしたのかと近づくと記念撮影をして帰ろうということ。せっかくデューンに来たのだからと、そのあたりをぐるぐる回って記念撮影です。そういえば一人で走っているとそんなこと出来ません。もう大きなデューンはなくてすぐにピストに出ました。ここからはひたすらピストの旅。
ここ2日ほどデューンばかり走っていたのでピストを走るとかえって走りにくいくらいです。デューンだと起伏があるけど、ラインは選び放題。硬いところを選ぶとそこは砂だということを忘れてしまうくらい普通に走れてしまいます。ピストだとそうはいきません。ふかふかピストはワダチだらけで走りにくいし外れてしまうとそこはキャメルグラスがたくさんあって走れません。ふかふかではなくなってきたと思ったらすぐに直径30cmはあろうかという岩ばかりのガレ場がやってきます。もっといやなのが砂の中に突然あらわれる岩。全開で突っ込んだらバイクがどこかへ飛んでいってしまいます。ひたすらそんなピストを走ります。
途中マップにデューンと書いてあるところもあるのですが走っているのはデューンの間のフカフカピストだったりします。外れてデューンの中を走っている人もいるのだけど。
ガレ場の急なのぼりを登りきると地平線まで広がる大地に道が1本。この風景はなかなか良い。モンゴルとはちょっと違っていてこれがアフリカの感じなのかなと思っいました。これが見たくてラリーを走っているのかもしれません。
■登りきると目の前に開けた綺麗な風景
今日からまた舗装路のリエゾンが復活しました。舗装路に出ると遠くに高い山脈が見えます。あれがアトラス山脈なんだろうなあと思っていたらどうやらその山脈を越えるらしく道が山脈へまっすぐ続いています。モロッコはアフリカといっても山の上は寒くて仕方ありません。これで雨でも降ったら真冬のツーリングになってしまいそうです。山の中のガソリンスタンドで給油しました。ここにはカフェが併設されていて暖かいカフェオレで暖を取ることにしました。ちなみにこのカフェオレのミルクはヤギらしいです。羊のミルクはダメだけどヤギのミルクは結構おいしく飲むことが出来ます。しかしアフリカまで来てこんなに寒い思いをするとは思いませんでした。パリダカが1月ってことはモロッコの辺りを通るライダーはもっと寒いのかな??大変だな。と思いました。
あまりゆっくりも出来ないので出発します。相変わらず山脈の中の舗装路を走っているのですが左に曲がるコマが見つかりません。1キロほど走ると上からバイクが降りてきました。どうやら行き過ぎているらしいのです。戻っていたら入り口を発見。ここから坂を登っていくと、ちょっとした渋滞が出来ています。ガレガレで登り…手前には溝まであるうえにガレ場は少し右にカーブしています。んーこれっていけるのか?と疑問に思いましたが行かないと仕方がありません。案の定曲がりながらバランスを崩してそのままガシャーンとこけてしまいました。見ていたモロッコ人の子供たちが駆け寄ってきて起こしてくれました。反対側にまで倒しそうな勢いです。そのまま登っていったのですがあと数メートルがどうしても登れません。上からは主催者のアレックスさんが嬉しそうにビデオを取っています。そのうれしそうな笑顔にちょっとむかつきました。仕方がないのでエンジンをかけて怒涛の押しです。頂上に着いたらまたまた嬉しそうに感想を聞かれた。Goodなコースだろ?と聞かれたのでBadなコースだよ!と答えたらメチャメチャ喜んでいました。その先、舗装への下りもガレ場ですごい下りなので乗っては降りれそうにありません。結局押しておりました。この間わずか800m。ビデオを撮りたかったのでにここを通したみたいです。なんて人が悪い…
■苦労した登り坂・・・
ここから先は10キロほど走ったところでプロクラスのみSSがあります。アマクラスのライダーはここを飛ばしてオンロードでゴールへ向かいます。メチャメチャ難しかったら飛ばそうと思ってアマクラスの地図も捨てずに持ってきているのですがここまでのところデューン以外は問題なく走っています。プロクラスのみのコースなのでちょっと緊張してSSに入りました。はじめのうちは枯れ川渡りでしたが村を過ぎた辺りで枯れ川の中に降りました。川の左右には高い岩の壁がそびえたっていての中を走ります。昔、パリダカのテレビで見たよ風景です。れだけでもなんだれい気分にっます。ですが、コースクラス用だけあって走り難いです。砂に石にたまに出てくる岩になかなか大変です。こなところで地図なんか見てる場合でありません。エンジンが壊くりしか走れ様の後ろをいていくの必死です。時々現れる分岐もやはり深い渓谷で迷い込んだら帰れなくなってしまいそうです。ガレ場の石がだんだん大きくなってきてついに一コケ。当然旦那様は気づかずに行ってしまいました。ここであせっている場合ではありません。あわててへんなところに迷い込んだら大変です。まずは見るのをサボって数十キロ前を示している地図をICOが示している距離の辺りに合わせて…さっきの分岐を思い出して大体この辺りという見当をつけます。それで再スタートです。地図を読む余裕は全くないので分岐のたびに止まってみなければなりません。さっきまでは楽ちんだったのに…途中、ものすごいガレ場に走るのに気を取られすぎて左に曲がる分岐を真っ直ぐ行ってしまった。ん!?今のは分岐では??地図を見てみるとどう見たってさっきの分岐は左です。Uターンしたいのですが、ガレ場というより岩の上を走っているようです。こんなところでバイクをこかしてしまったら大変です。仕方なく降りてUターン。その先も路面が凸凹すぎてバイクにまたがることが出来ずに行き過ぎた100メートルほどを押して戻ることになりました。そこからはずっと大きな岩がごろごろしている河原。珍しく前に人が走っていると思ったらこの人はお医者さんでした。リュックに荷物を満載にしてこのガレ場は走り難そう。というか見るからに苦労しています。よけてくれたので越してゴールへう。ゴールのちょっと手前で大きな石に乗り上げてこけてしまった。ここはゴールから丸見えで既にゴールした人たちが様子を見ているのが分かります。もう、そんなこと、どうでも良いくらい疲れていて、写真!?取りたいなら取れば!!という心境です。ようやく左側のに上がる道を見つけてゴールにたどり着きまた。ゴールでしばらく後続の皆さんを見ていたのですが、私くらいの順位になると結構みんなぶっ飛んでいます。ゴールと気づかずにガレ場をそのまにかっとんで行く人もいたりでみんなこんなもんなんだなあと結構ほっとしました。
このSSを出たら後は舗装路でキャンプ地に向かうだけ。今日は、前半はフカフカ、後半はガレガレに疲れた1日でした。 |