トゥアレグラリーへ行こうその13 Day5
今日は本気で休もうかと思いました。昨日食べたチーズのせいで一晩中トイレとベッドを往復していた上に朝になっても何も受け付けてくれません。布団の中でうずくまっていたのですが、せっかくモロッコまで来たんだからとごそごそ起きだして準備です。スタートは8時なのに既に7時。カイザーさんが寝坊したんじゃないかと迎えに来てくれました。
ご飯は入らずとりあえず牛乳だけ飲んであとはブドウ糖をカリカリと。マップを巻いて、エンジンをかけようとしたのですがガーン。バッテリーが充電されていません。私じゃあエンジンはかからずに近くにいた巨人のトーマスにかけてもらいます。スタート地点まで行って朝のチェックを済ませて一安心。これから70kmもデューンを走れるんだろうか??不安なままスタートを迎えました。
今日は約20kmのループコースが3周。その後にスタートの前にそびえるビッグデューンを登ってそこがゴールです。1周のうちの3箇所のCPがあります。スタートしても後ろ向きな気持ちは一向に変わらず、仕方なく走っていました。CP1までは昨日に比べれば山も低くて簡単なルート。まだ涼しいので砂も締まっているのですが私が弱っているせいか、なんでもない砂丘のくだりでこけます。起こしてエンジンをかけるけど、セルがもうすぐ終わりそうな気配です。CP1はちょっと高いデューンの上にあって、ここを登るにはちょっと勢いが必要です。ここは問題なく登ってチェックを受けます。CP1からCP2が見えました。これは高い…昨日の砂丘の一番高いとこくらい。CP1からずんずん山へ近付いていっているけどなだらかそうな左の斜面に進路を変えました。CP2の山を登る。3速全開で登りに入ったのですがどんどん失速していきます。2速に落としてやっと登れた感じです。私くらいの順位の方の半数くらいはやり直しをしていました。CP2を登ったということは下らないと帰れません。山の反対側の斜面を下るのですが人が点に見えるくらい高低差があって軟い砂があった末にはあっという間に前転してしまいそうです。何にもないことを祈りながらそろそろ下ります。そこが終わるとだんだんデューンが小さくなってきて枯れ川にでました。ここには起伏がなくて飛ばしても大丈夫。ただしお約束の轍はいっぱい付いているのでハンドルが取られるのは仕方ありません。CP3は枯れ川沿いにありました。次はスタート地点。再びデューンを通過しなければなりません。出来るだけ低いデューンを選んで走っていたのですが先が落ちているところでやってしまいました。そんなに高さはなかったのですが前転です。バッテリーの残りがないのに前転なんて…案の定、足場が悪くてキックが下まで届いていません。スタンドも立ちません。何人かの方が止まってキックしてみるけどかかる気配0です。もうダメかも?半分あきらめながらキックをしていたらマーシャルが止まってくれました。マーシャルさんもキックしてくれたのですがまったくかかる気配なしです。こんな大きい人がキックしてダメなら私なんか絶対ムリだ...ますますブルーです。あきらめるそぶりを見せたマーシャルでしたがアクセルを2回ひねってキック。しばらくキックしたらかかりました。もうめちゃめちゃハッピーです。周回チェックまでは3キロほど、帰ってみることにしました。ここからも簡単には帰してもらえませんでした。砂丘の大きさがだんだん大きくなってきて昨日の砂丘より大きいんじゃないかという感じです。こんなに大きくなると次の砂丘までの幅も大きいもので向こうの頂上にいるライダーは点です。バイクも色しか分からず車種は判別できません。ここで止まっていても仕方ないので意を決して一番低いと思われる方向に向かって下ります。下りきったらまたまた3速全開です。そんなことを4、5回繰り返すうちにゴールチェックにたどりつきました。本当にジェットコースターみたいです。
チェックを受けて次の周…99%行きたくない感じでした。あー、どうしよう…ぐずぐずしていると3周目に行く旦那様に偶然バッタリ会いました。
どう? うーん…バッテリーがなくなってセルが回らない。 と答えました。だけど心の中は読まれていたみたいで そんなにやる気がないなら辞めたら。 というようなことをやんわり言われました。
そんなことを言われたらちょっと切れてしまいます。その勢いで2周目に向かいました。
2周目も絶不調です。CP1までは注意して走ったためか轍を避けて走ることを覚えたのかこけずに行けました。CP1の山に入った瞬間、まずいと思いました。1周目と違ってフカフカであっという間にスタックです。バイクはどうにか斜面側に倒すことに成功したので起こすのは楽勝でしたが、下りでエンジンをかけることが出来ず平地でキックを繰り返すことになってしまいました。アクセルを2回ひねってキック。これを5、6回繰り返したところでエンジンがかりました。こけた後のエンジンのかけ方が分かった瞬間です。これを知っていたら昨日ももうちょっと走れたのかも…
同じラインは絶対スタックするので山の右側から登ることにしました。デューンってたくさん通るとラインがダメになるんですね。
CP2は1周目と同じく傾斜の低いところを選んで4速→3速→2速と全開で登るのですが、CP1と同じで既にここもフカフカ。周りの人たちもほぼみんなスタックしています。そうかこのラインも終わっているのか...戻ってもまた加速できそうな平らなところはないので山の右手のふもとに降りました。ここにも登れない人がたくさん溜まっていていろんなラインをチャレンジ中です。ほとんどの方は登りきれずにスタック。これってもうムリってこと?と思のですが左右のめちゃめちゃ急坂はたまに登頂できる人もいます。ここはバイクを信じていくしかないと右側の急なラインを選びました。登っている最中は空しか見えていません。意外にもこのラインはまだグリップして頂上でブレーキを踏まなければ飛び出しそうなくらいでした。CP2を超えたらしばらくは楽勝のはずです。
楽勝のはずだったのですが枯れ川に向かう小さなデューンの中でエンジンの調子が悪くなりました。だんだんふけなくなってついに窪地でエンジンが止まりました。キックしてもかかりません。バイクもホイールベースくらいの穴に落ちてしまって脱出することが出来ません。おまけにほぼビリな上にコースの端の方を走っているので周りに誰も通りません。さて、どうする?
待つこと15分。KTMの2人組が現れて私のバイクを脱出できそうな向きに方向転換してくれました。ただ、エンジンの調子は悪いままですぐに止まってしまいます。止まって10分ほどキックしているとエンジンがかかって、数百メートルで止まるの繰り返し。
原因も良く分からずにキックしているだけです。ヘルメットを脱いでキック、休んでキック、水を飲んでまたキック。そして数百メートル走ったらエンスト。こんなことしていたら日が暮れるか私が干からびるかのどちらかです。そのうち気分まで悪くなって本格的にやいかも…あ~どうしよう。3日連続で電話なんかから格好悪いな。と思いました
でもラリーにはが必ずいるんです。誰かが近付いてきたと思ったら同じチームのカールさんです。カールさんがキックしてくれたけど結果は同じ。しばく考クをレスにしてキック。そしたらエンジンは単かかりました。ひょっとしてガス欠??とりあえず次のCPまで一緒に行くよと言ってくれたので走り出しました。
CPまではエンジンは快調そのものでした。後で聞いたらビッグタンクはタンクの形状の都合で前にたくさんのガソリンが残ってしまって入っているように見えても既にResということがあるらしいのです。
ここでやめてもホテルまでは走って帰らなければならないので、どうせならとゴールのCPへ向かうことにしました。そしたらカールも一緒に行ってくれるとのこと。ここからの砂丘は難しかったので心強いというものです。
まだ砂丘の小さなエリアでこけてしまっても律儀に待っていてくれます。なんだか悪いなあというような気になりますが、助かるのです。周りには既にバイクは走っていませんからね。しばらくすると行くとカールさんもフカフカの砂に突っ込んで前転してしまいました。そんなわけなので私も待っていました。バイクは白い640アドベンチャーでとても重そう。起こして、近づいてきたので大丈夫?と聞いて再スタートしました。こから先の砂丘は、大きいのですが1周目と同じ道を通ったので迷わず超えることが出来ました。まあ、怖いのには変わりはないのですが。
周回チェックでカードを出すと3周目に行くのかを聞ました。残りが20分しかないということ。20分で帰れるわけないし、あと1周行く自信もなかったのでここでゴールにすることにしました。本当のゴールチェックはホテルの前にそびえる一番高いデューンです。ちなみにカールさんは、ちゃんと周回してきたのでゴールチェックの大山に登らないといけないみたいです。私はチックカードを渡してしまったのでここで終了。登っても良いよといわれたけど、エンジンが止まったらまたキックしないといけないしと登るのをやめ。頂上までバイクで登らないといけないかというとそうではなくて、いけるところまで登ってから後は徒歩といった感じ。旦那さんから聞いた話、数メートル登るのも変だったらしいです。中には数十メートル下から歩きの方も。大変そうです。
さて今日はどうにか回収されずに済みました。けど2周で終了。それでも私には十分すぎる内容で砂漠を満喫できた1日でした。 |