「2月22日反政府の火の手」
北アフリカ・チュニジア発の反政府運動はチュニジアで政府転覆に成功すると、その勢いは一気にエジプト、バーレーン、さらには“まさかのリビア”にまで飛び火し、混乱はどこまで拡大するか分からない情況になっている。
モータースポーツでもF 1 グランプリの開幕戦、バーレーンG P が王制打倒を唱える反体制デモの先が見えず、中止に追い込まれている。F 1 どころではなく国の将来の展望も見極めがつきにくい情況になっているのだ。
チュニジアやエジプトはパリ〜ダカールやチュニジア・ラリー、ファラオ・ラリーなどでラリー好きにはお馴染みだ。リビアもラリーで何度か通過しているし、カダフィ独裁で治安がいいことからローマ時代の遺跡を見る旅もあんしんしてできたのだった。
西サハラに爆弾を抱えていたにしてもモロッコはチュニジアとともに観光客が安心して旅が出来る国だった。パリ〜ダカールでも安全な国の筆頭でさえあった。しかし、ここへ来て自由な旅はかなり困難なものになったと言える。中東からイラン、ヨルダン…。北アフリカから中東全体が燃え上がっている様相となった。
こうなると中東原油価格が上昇し、不安を高めるが、ファンドを初めとする投機筋は原油ばかりか食料へも投機マネーを注ぎ込み、こちらの方も値上がりだ。インターネットは世界をつなぐが、同時に世界へ一気に不安も広げる。
こういう事態になってくると、気懸かりなことが浮かんでくる。政権打倒をしたとして、その後の国家運営はどうなるのだろうということ。日本は批判上手の民主党が政権を取ったあと、外交が滅茶苦茶でアメリカの不審は買うわ、そこにロシア、中国、さらには韓国にまでつけ込まれるありさま。
日本がこういう体たらくだから、独裁者を倒したあと、受け皿となる政党も人も見当たらない国はどうなっていくのだろう。中東の産油国は食料を殆ど全て輸入に頼っている。水も海水浄化。イランなどは産油国なのに、ガソリンは輸入に頼るという奇妙なちぐはぐさだ。
原油輸出が仮に絶えたり、操業が困難になると、食料の輸入や流通、水の配分などはどうなるのだろう。サウジアラビアを英国支配から独立させた初代国王、イブン・サウドはこういった。
「町で生きられなかったら、我々は砂漠へ還ればいい」
独立当時はベドウィンの生き方をサウジアラビアの人々全てが知っていたが、今や砂漠へ還れる人は一握りいるだろうか。オイルマネーで急成長した国々の主要都市には巨大なビルが建ち並び、高級車が行き交い、豊富な輸入品が溢れる。
食料となる農業が皆無に近い。飲料水も自給できるのはごく僅か。“革命”に成功したとしても、その先が気懸かりだ。投機マネーがどう動いているのかなどをG 20では「部会を作って研究する」ことにしたが、到底間に合いそうにもない。
世界はどうなっていくのだろうか。日本政府が「歩行困難」状態の中で、世界は猛烈な勢いで動いている。その行く末は誰も分からない。そして日本の菅・民主党政権は前首相が政権批判するという異常事態。そして相も変わらぬ内紛の繰り返しなのだ。
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